国民芸術勲章

国民芸術勲章

国民芸術勲章（National Medal of Arts）は、アメリカ合衆国議会によって1984年に創設された賞です。芸術家や芸術支援者の顕著な功績を称えることを目的としています。アメリカ合衆国政府から芸術分野の個人や団体に授与される最高の栄誉の一つとされています。

概要

受賞者の選考は、まず国立美術協議会（National Council on the Arts）が候補者を国立芸術基金（NEA）の諮問委員会に推薦します。その後、諮問委員会が推薦された候補者の中から受賞にふさわしい人物を選び、アメリカ合衆国大統領に推薦します。最終的な授与は大統領によって行われ、ホワイトハウスで式典が開催されます。メダルのデザインは、彫刻家のロバート・グラハムが手がけました。

歴史

国民芸術勲章が正式に創設される前年の1983年、ロナルド・レーガン大統領が芸術と人文科学に関する大統領委員会を通じて、芸術家と芸術後援者に対してメダルを授与しました。これが国民芸術勲章の前身となりました。

1985年に最初の授与式が行われ、以降、毎年、多くの芸術家や芸術支援者がこの栄誉に輝いています。直近では2020年に授与が行われました。

受賞辞退者

国民芸術勲章は、その権威の高さから、受賞を辞退する人物も存在します。著名な辞退者としては、以下の人物が挙げられます。

レナード・バーンスタイン（1989年）: 作曲家・指揮者。辞退の理由は、AIDSに関するショーへの連邦補助金が撤回されたことへの抗議と伝えられています。
スティーヴン・ソンドハイム（1992年）: ミュ지컬の作曲家・作詞家。NEAが「政治的な内輪もめの犠牲者になっており、奨励や支援ではなく検閲と抑圧のシンボルに急速になりつつある」と批判し、辞退しました。
アドリエンヌ・リッチ（1997年）: 詩人。芸術とビル・クリントン政権の「冷笑的な政治」との間の「矛盾」に対する抗議として辞退しました。

関連項目

アメリカ国家科学賞
アメリカ国家技術賞
文化勲章 - 日本の勲章
芸術文化勲章 - フランスの勲章
スペイン芸術文学勲章

外部リンク

* National Endowment for the Arts

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