国立台南大学附属中学

国立台南大学附属中学（略称：南大附中、英語略称：ASHS.NUTN）は、台湾南部の台南市永康区に校舎を構える国立の高級中学です。その名の通り、国立台南大学に附属する教育機関として位置づけられています。

校史

本校の歴史は、1939年に遡ります。この年の4月1日、「台南州台南農業学校」として開校したのが始まりです。設立当初は、農学、獣医畜産学、そして農業土木学という三つの学科が設置されており、農業教育に重点が置かれていました。

開校の翌年、1940年には新たな校舎が無事完成し、学校は現在の所在地へと移転しました。その後、戦後を経て、1959年には校名が「台南高級農業専門学校」と改称されます。この名称は「台南高農」と略され、当時の台南地域における主要な専門学校の一つとして認識されていました。

学校は時代の要請に応えるべく、学科の拡充を進めます。1966年には新たに農業生産学科と園芸学科が設けられ、1969年には農業機械科が加わりました。さらに1971年には農芸学部が設立されるなど、専門分野の幅が広がりました。

既存学科の再編も行われました。1971年には総合農学部門と農学部門が統合され、農業経営部門として組織されました。1974年には農業生産学科が食品加工学科へと変更され、農業から食品分野へと教育内容がシフトしました。1980年には、先の農業経営部門に園芸部門が加わっています。

1988年には、農学科、食品ビジネス科、食品飲料管理科といった、より現代的な名称の学科が設置されるなど、教育内容の多様化が進みました。

教育形態においても変化が見られました。1997年には総合高校として試験的な開校が行われ、その後の3年間、毎年3クラスずつ総合高校としての枠が増設されていきました。

地域連携も積極的に行われています。2002年には、近隣の台湾高校、台南高校と協力し、「永康学院」を結成しました。これは、三校間での図書館相互利用や教育資源の交換を目的とした取り組みです。

学校の名称は、附属する大学の名称変更に伴って変わりました。2003年には「国立台南師範大学附属高等学校」となり、翌2004年には国立台南師範大学が大学化されたことで、「国立台南大学附属高等学校」へと改めて改称されました。現在の校名となったのはこの時です。

2005年は、本校の教育課程において大きな転換点となりました。この年に在校していた生徒たちの卒業をもって、それまで提供されていた全ての職業訓練コースが終了となりました。同時に、普通科高校のクラスが新たに4クラス設置され、残りの11クラスが統合高校の形態へと再編されるなど、普通科教育への比重が高まりました。

その後も学校の発展は続きます。2007年には、国立台南大学台湾文化研究所の関志明教授が校長に就任しました。2010年には、国際的な品質基準であるISO9001品質マネジメントシステムの認証を取得し、教育の質の向上に対する取り組みが評価されました。2011年には、一般の高校生を対象とした特別クラスが開設されるなど、多様な生徒のニーズに応える教育が進められています。

このように、国立台南大学附属中学は、戦前からの農業学校としての歴史を基盤に、時代の変遷とともに学科や教育形態を柔軟に変化させ、地域社会に根差した教育を提供し続けています。

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