国立国会図書館支部上野図書館

国立国会図書館支部上野図書館の歴史と変遷

国立国会図書館支部上野図書館は、1949年に国立図書館の一部が文部省から国立国会図書館に移管されたことで設立されました。この図書館は戦前の日本における唯一の国立図書館だった帝国図書館を引き継ぐもので、長年にわたり上野公園内の文化施設の一部として、多くの人々に親しまれてきました。

設立の背景と初期の運営

1947年、帝国図書館は国立図書館に改称されましたが、この時点では日本の国立図書館は文部省の所管下にありました。その後、日本へ来た米国の図書館使節は、国会図書館と国立図書館の統合を提案し、国民のための国立中央図書館である国立国会図書館の設立を促しました。この提案は1948年に成立した国立国会図書館法に反映され、上野公園の図書館は国立国会図書館に統合されました。

当初、上野図書館には約107万冊の蔵書がありましたが、その後発行される文献は国立国会図書館中央館で収集されるようになり、上野図書館は旧蔵書の管理と国民へのサービスを行う役割を担いました。

変更と機能の再編

1961年、国立国会図書館の中央館が東京都永田町に新設されると、上野図書館の蔵書資源の大部分は中央館へ移されました。この移転によって、上野図書館は主に都民へのサービスを提供する参考図書館として存在することになりました。また、1982年からは特別コレクションを専門に収蔵する機関として機能再編が行われました。

例えば、帝国図書館から引き継がれた博士論文コレクションや、関連資料を集めた布川文庫がこの時に採用されました。このように、上野図書館は時代に合わせて役割を変えながらも、多様な資料を提供していました。

国際子ども図書館への転換

1994年には国立国会図書館法が改定され、上野図書館は国立国会図書館の支部として永続的にサービスを行うことが確認されました。しかし、施設の老朽化や耐震問題が指摘され、国立の児童書専門図書館設立の提案がありました。

これに伴い、1997年から上野図書館の改修作業が始まり、1999年には法改正が行われ、国際子ども図書館設立に向けた再編成が決定されました。2000年に部分開館、2002年には全面開館となり、上野図書館は国際的な児童書専門の国立図書館として生まれ変わりました。

この新しい図書館には、18歳未満を主な対象とする資料が移管され、旧上野図書館が所蔵していたコレクションは東京本館へ戻りました。その後、国立国会図書館の東京本館には、バレエや出版史関係のコレクションが収蔵され、博士論文は新設された関西館に納められることとなりました。

このように、国立国会図書館支部上野図書館は、歴史を経て新たな専門図書館として国際的に重要な位置を確立しています。

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