国立国際医療研究センター

国立国際医療研究センターの概要

国立研究開発法人の国立国際医療研究センター（NCGM）は、日本の厚生労働省が所管する国立機関です。このセンターは、感染症や高度専門医療の研究を行い、医療提供体制の中心的な役割を果たしています。2025年には、国立感染症研究所との統合によって「国立健康危機管理研究機構」となる予定です。

設立の背景と目的

センターは2010年4月1日に設立され、国立国際医療センターからの移行によって、感染症に関する研究や国際協力医療が促進されることを目的としています。特に感染症の発生と拡大に対応し、国際的な健康改善に寄与するため、高度専門医療の提供や技術者の教育が行われています。

医療機関としての特徴

開設から現在まで、日本の感染症の治療において中心的な役割を担ってきたNCGMは、特に後天性免疫不全症候群（AIDS）に関する研究と治療に力を入れています。病院は東京都新宿区に位置し、特定感染症指定医療機関として、全国の感染症患者の受け入れも行っています。2020年9月時点では、全国で4か所に限定された特定感染症指定医療機関のひとつに指定されており、さまざまな感染症への総合的な対応を実施しています。

研究と治療の最前線

国立国際医療研究センターは、感染症に関する研究のみならず、内分泌・代謝に関する疾患や肝疾患についての研究も進めています。特に、性感染症に関する診療の一環として、2017年からはゲイ・バイセクシャルの男性を対象にしたSH外来を設置し、PrEP（暴露前予防投与）に関する研究を行うなど、革新的な治療法の開発を進めています。

法律に基づく業務の範囲

NCGMは「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律」に基づき、感染症その他の疾患に関する調査、研究、技術開発を行います。また国際的な医療協力に関する調査や、医療に関わる技術者の教育・研修を実施し、その成果の普及や政策の提言も行っています。ついで、看護に関する高等な教育・研究に注力し、次世代の医療専門家を育成しています。

歴史のひとコマ

国立東京第一病院を起源とし、1880年代には陸軍病院として発展しました。1949年には国立東京第一病院として再発足し、その後を経て、今の国立国際医療センターへと変遷しています。また、各時代において、多くの医療人材を輩出し続け、地域医療を支えてきました。

組織と研究所

NCGMは様々な研究部門を持ち、熱帯医学や感染症制御、糖尿病などの研究を行っています。特に感染症の脅威に対抗するための専門的な研究が行われ、国際的にも評価されています。病院では内科、外科、救急部門など多岐にわたる診療科を設置し、幅広い患者への医療提供をしています。

航路の展望

今後、国立国際医療研究センターは、国立感染症研究所と統合し、より一層グローバルな視点から健康危機管理を行い、国民の健康・安全確保に寄与することが期待されています。このように、センターの使命は日々進化しており、未来の医療の中心としての役割が大いに期待されています。

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