国立映画アーカイブ

国立映画アーカイブ（NFAJ）

国立映画アーカイブ（National Film Archive of Japan, NFAJ）は、日本の映画文化を支えるために設立された独立行政法人であり、国内唯一の国立映画機関です。このアーカイブは、映画の保存・公開を通じて映画文化を振興することを目的としており、「映画を残す、映画を活かす。」という使命のもと、京橋本館と相模原分館の2つの施設から成り立っています。NFAJは、映画に関する様々な教育や国際的な連携を行い、映画の歴史とその重要性を広く伝えています。

概要

京橋本館

国立映画アーカイブの京橋本館は東京都中央区に位置し、公開施設として2つの上映ホール、展示室、図書室を有しています。2階には「長瀬記念ホール OZU」があり、310席の収容能力を持ち、様々な特集上映が行われています。館内には特定のテーマに沿った映画の上映が行われ、映画ファンにとって魅力的なスペースとなっています。また、B1階には小ホールがあり、151席の収容能力で、こちらでも多様な上映が行われています。

相模原分館

相模原分館は神奈川県相模原市に位置し、映画フィルムと関連資料を適切な環境で保管しています。この施設では、映画の検査やデータ採取なども行い、重要な文化財指定の映画フィルムを保護するための厳重な管理体制が整えられています。また、映画保存棟Iは映写ホールを備えた施設であり、地域協力による文化交流にも力を入れています。

沿革

国立映画アーカイブの歴史は1952年に始まり、当初は文部省の下で設立された国立近代美術館に映画事業が加えられたことが起源です。1970年には東京国立近代美術館フィルムセンターとして正式に開館し、その後の火災や拡張を経て、2018年に現在の名称で新たに開館しました。これらの歴史的な出来事は、日本映画の重要性を再認識させるきっかけとなり、国立映画アーカイブの設立に繋がっています。

所蔵品と文化財

NFAJは豊富な所蔵品を誇り、2020年2月の時点で日本映画72,443本、外国映画10,503本を含む合計82,946本の映画フィルムを保有しています。また、約44,591点の和書や5,478点の洋書、さらには約48,000点のシナリオが所蔵されています。特に重要な文化財としては、『紅葉狩』や『史劇 楠公訣別』といった作品があり、これらは相模原分館で保管されています。

教育活動と展示

国立映画アーカイブでは、映画に関する様々な教育プログラムも実施されています。4階の図書室では、映画に関連する書籍や資料が閲覧でき、研究者や一般の人々に広く利用されています。また、7階の展示室では、映画のポスターやスチル写真を用いた展覧会が開催され、映画文化の発展に寄与する活動が行われています。

国立映画アーカイブは、その重要な役割を果たすために多様な取り組みを続けており、日本の映画文化を次代へと繋げるための重要な拠点として機能しています。

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