国立自然史博物館 (フランス)

国立自然史博物館について

フランスの国立自然史博物館（Muséum national d'histoire naturelle、略称MNHN）は、環境、教育、研究を幅広く手がける他種多様な機能を有する施設です。その設立は1793年に遡り、以降フランスの自然史を研究、教育する中心的な機関へと成長しました。

歴史的背景

博物館の始まりは、1635年にルイ13世が設立した王立薬草園にあります。そこでは王の侍医たちが植物に関する研究を進めていましたが、1718年の改革により自然史に関連する活動が強調されるようになりました。ビュフォン伯ジョルジュ=ルイ・ルクレルの指導の下で、博物館はその名声を高め、1793年に正式に自然史博物館としての地位を確立します。

その後、1907年に財政的自立を果たし、フランス全土に施設を展開しました。この博物館は、特に人間活動の環境への影響についての研究に力を入れています。

組織と活動

国立自然史博物館の主な目的は、基礎及び応用研究の実施、そしてその知識の普及です。組織は、7つの研究部門と3つの教育部門から構成されており、各部門は専門的な分野に特化した研究を行っています。具体的には、分類・進化部門や地球史部門、生態学・生物多様性管理部門などがあります。

教育部門には、パリ植物園内にある陳列館、植物園、動物園、人類博物館が含まれます。これにより、来館者は多様な生物や自然環境について学ぶことができます。

収蔵品と標本

全国でも評価される国立自然史博物館の収蔵品は非常に多岐にわたっています。例えば、鉱物標本は24万点に及び、岩石標本は30万点、化石標本は200万点にも達します。また、昆虫標本はなんと1億5000万点という膨大な数を誇ります。これらの標本は世界的に貴重なものであり、研究、教育の分野で重要な役割を果たしています。

特に顕花植物に関しては800万点収蔵しており、これには約45万点の模式標本が含まれています。また、先史時代の遺物や民族誌学に関する収蔵品もあり、人類の歴史と自然環境との関係を探る貴重な資源となっています。

その他の施設

国立自然史博物館はパリ以外にも広がりを見せ、フランス国内のいくつかの動物園や博物館も同じ目的の下に運営されています。パリ動物園や人類博物館はその一例であり、それぞれが個別に特色ある展示を行っています。

さらに、ロカンクールにある実験植物園や海洋博物館なども博物館傘下の施設として存在感を示しています。これらの施設は、自然史や生物多様性についての理解を深める場として訪れる人々に開かれています。

国立自然史博物館は、今後も更なる研究と知識の普及に努め、自然環境の保護と進化の理解を深めていくことを目指しています。

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