国道101号線 (アメリカ合衆国)

国道101号線：アメリカ西海岸を貫く歴史とロマン

国道101号線は、アメリカ合衆国西海岸を南北に縦断する主要な国道です。カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州の3州を、太平洋岸に沿って走り抜けるその姿は、アメリカ西海岸の象徴ともいえるでしょう。

歴史と経緯

101号線という番号は、当初の計画とは異なる経緯で付けられました。南北方向の国道には奇数が割り当てられるという原則に従うと、91号線となるはずでした。しかし、西海岸という地理的条件から、それ以上の番号を使うことができず、結果的に101号線という番号が割り当てられました。これは、1号線の支線という意味合いも持っています。

かつては太平洋岸の主要な南北道路でしたが、州間高速道路システムの発達によってその役割の一部を譲る形となりました。それでも、ロサンゼルスとサンフランシスコ間など、重要な区間では現在も主要な道路として機能し、多くのドライバーによって利用されています。1964年にはカリフォルニア州ロサンゼルス南端で分断され、以南は州間高速道路5号線に引き継がれました。

沿線の魅力と愛称

101号線は、地域によって様々な愛称で呼ばれています。オレゴン州では「オレゴン・コースト・ハイウェイ」、カリフォルニア州南部では「ザ・101」、サンフランシスコ北部からオレゴン州にかけては「レッドウッド・ハイウェイ」など、地域住民の親しみを込めた呼び名が数多く存在します。カリフォルニア州南部では、区間によって「サンタアナ・フリーウェイ」「ハリウッド・フリーウェイ」「ベンチュラ・フリーウェイ」など、より具体的な名称も用いられます。また、一部区間では、かつての街道の名残である「エル・カミノ・リアル（王の道）」の名称も残っています。

各州ごとの特徴

カリフォルニア州では、特に南部はロサンゼルス都市圏の主要な通勤路となっており、交通量が多いことで知られています。北部ではサンフランシスコ・ベイエリアを縦断する重要な道路であり、シリコンバレーの通勤者にとっても欠かせない存在です。沿線には、世界有数の交通量を誇るイーストロサンゼルスインターチェンジもあります。カリフォルニア州では、特にロサンゼルス近郊の区間では、東西方向の表記ではなく南北方向の表記が用いられるという特徴があります。


オレゴン州では、「オレゴン・コースト・ハイウェイ」として知られ、太平洋沿いを走る美しい景観が魅力です。ティラムック南部で内陸に入る区間を除き、太平洋が視界に広がるドライブを楽しむことができます。フローレンスからヤハッツにかけての区間は特に景勝地として有名です。


ワシントン州では、オリンピック国立公園を通り抜け、州都オリンピアに至るルートが特徴です。オリンピック半島を周回するようなルートは、変化に富んだ自然景観を楽しむことができます。ただし、1990年代前半に行われた皆伐により、一部区間の景観が損なわれた場所もあります。

歴史的側面

現在の101号線は、歴史的な街道「エル・カミノ・リアル」の一部を踏襲しています。この街道は、スペイン統治時代の古い伝道所や集落、砦などを結ぶ道として利用され、カリフォルニアの歴史を物語る重要なルートでした。

旧国道101号線は、現在でも様々な道路名で残っています。サンディエゴ郡では、郡道21号線の一部として、また、サンフランシスコとサンディエゴ間では、迂回路101号線（Business 101）やカリフォルニア州道82号線として利用されています。ゴールデンゲートブリッジ建設以前は、サンフランシスコ・ベイエリアで東西2ルートに分かれており、それぞれの経路も現在は別の道路として残っています。

大衆文化における存在感

近年、101号線は映画や音楽など、様々な大衆文化作品に登場するようになりました。国道66号線と並ぶ、アメリカを象徴する道路として、国際的に認知度を高めています。

まとめ

国道101号線は、アメリカ西海岸を象徴する歴史とロマンに満ちた道路です。美しい海岸線や豊かな自然、そして歴史的な街道の面影を肌で感じることができる、ドライブ愛好家にはたまらないルートと言えるでしょう。

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