国鉄ウ100形貨車

国鉄ウ100形貨車について

国鉄ウ100形貨車は、日本の国鉄、すなわち鉄道省のもとで製造され、1949年以降は日本国有鉄道によって運用されていた有蓋貨車です。この貨車は、豚の運搬を目的とした特別な設計がなされていて、10トンの積載量を持ちます。

概要

ウ100形は、1931年度から1940年度にかけて、国鉄の各工場において改造作業が行われ、新たに生まれた形式です。具体的には、63両が元のカ1000形から、20両がワフ6500形から、さらに2両がウ1形から改造されました。最終的に合計86両（ウ100からウ185）が製造されました。

外観には3種類のバリエーションがあり、改造に使われた元車両の形式によって異なります。各年度ごと、各工場では以下の数の貨車が製造されました。

• - 昭和6年度: 合計30両

- 大宮工場: 5両（ウ100 - ウ104）
- 大井工場: 5両（ウ105 - ウ109）
- 名古屋工場: 5両（ウ110 - ウ114）
- 長野工場: 5両（ウ115 - ウ119）
- 盛岡工場: 5両（ウ120 - ウ124）
- 土崎工場: 5両（ウ125 - ウ129）

• - 昭和7年度: 合計34両

- 名古屋工場: 5両（ウ130 - ウ134）
- 長野工場: 5両（ウ135 - ウ139）
- 鷹取工場: 10両（ウ140 - ウ149）
- 幡生工場: 5両（ウ150 - ウ154）
- 盛岡工場: 4両（ウ155 - ウ158）
- 土崎工場: 5両（ウ159 - ウ163）

• - 昭和8年度: 合計20両

- 幡生工場: 5両（ウ164 - ウ168）
- 小倉工場: 5両（ウ169 - ウ173）
- 盛岡工場: 5両（ウ174 - ウ178）
- 土崎工場: 5両（ウ179 - ウ183）

• - 昭和14年度: 1両

- 盛岡工場: 1両（ウ184）

• - 昭和15年度: 1両

- 盛岡工場: 1両（ウ185）

仕様

ウ100形貨車の仕様は以下の通りです。塗色は黒で、全長は7,030 mm、全幅は2,564 mm、全高は3,480 mmです。また、軸距は3,962 mm、自重は7.8トンから8.5トンの範囲で、換算両数は積車1.4、空車0.8となっています。最高運転速度は65 km/h、車軸は10トン仕様です。

廃車とその後

この貨車は、改造から約21年が経過した1952年6月26日、老朽化に伴って「老朽貨車の形式廃車」の対象に指定されました。このときの在籍車両は19両でしたが、戦後の調査でいくつかの未捕捉車両が確認され、昭和34年度には在籍車両がゼロであることが確認されました。

参考文献

本記事の情報は『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）を参考にしています。

関連項目

国鉄の車両形式一覧についても興味がある方は、ぜひ調べてみてください。

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