国鉄カ2000形貨車

国鉄カ2000形貨車とカ3000形貨車の概要

日本国有鉄道（国鉄）で使用されていた貨車の中でも、カ2000形およびその改良型であるカ3000形は、家畜輸送専用の有蓋車として重要な役割を果たしました。これらの貨車は、1950年代に製造され、長年にわたり日本の鉄道輸送の一翼を担ってきました。

カ2000形

1951年に製造が開始されたカ2000形貨車は、200両（カ2000 - カ2199）が作られた12トン積みの二軸家畜車です。前モデルのカ1500形を基にしており、荷物特性に応じて車体が延長されました。その結果、肉牛15頭、役牛20頭を積載できる能力を持つようになりました。また、カ2000形の主な特徴として、1段リンク式の軸ばね支持装置を採用しており、最高運転速度は65km/hとなっています。

具体的な寸法としては、全長8,200mm、全幅2,763mm、全高3,560mm、そして軸距4,200mm、自重は8.5トンです。これらの数値は、同時期の標準有蓋車であるワム23000形に比べてやや長く設計されており、ツム1形と同じくらいの大きさになっています。カ2000形は、改造を受けることなく、すべてがカ3000形に生まれ変わることで形式消滅しました。

カ3000形

カ3000形は、1954年と1955年に製造された150両（カ3000 - カ3149）から成り立っています。この貨車は、前のカ2000形と非常に似た形状を持ちながらも、性能を向上させるためにいくつかの改良が加えられました。特に、軸ばね支持装置は2段リンク式に改良され、最高運転速度は75km/hまで引き上げられました。1959年にはカ2000形から199両がこの改造を受け、カ3000形に編入されました。

カ3000形の製造は複数の工場で行われ、具体的な製造所には川崎車輛、近畿車輛、汽車製造、ナニワ工機などがあります。これらの貨車の車体は、カ1500形後期車の設計を踏襲しており、外側に立てられた鋼材の柱に木製の側板が取り付けられています。側板は通風を促進するために間隔を持って設置されており、側面には鋼材で作られた筋交いが斜めに張られています。

さらに、荷役のための木製の扉が中央部に設けられており、カ2000形とは異なり、荷役扉と側板のデザインに不等間隔が設けられています。したがって、清掃の際の汚れにも配慮されており、側板の下部には清掃の容易さを考慮した隙間が設けられていましたが、後期車両においてはこの隙間が塞がれる改造が行われました。

カ3000形の荷台は、長さ7,350mm、幅2,300mm、高さ2,200mmという寸法で、床面積は16.9m²、容積は37.2m³に達します。全体的な外寸法はカ2000形と一致しており、自重は若干増加し8.7トンとなっています。

カ3000形は、家畜輸送の標準形式として全国で利用されたものの、1970年代に入ると家畜輸送の方法が変わり、トラックによる枝肉輸送が主流となったため、その需要は急速に減少しました。最終的には、1977年にカ3000形がすべて廃車され、これによって国鉄の貨車から家畜輸送用の形式が姿を消しました。

参考文献

これらの情報は、いくつかの文献に基づいています。「国鉄貨車形式図集 I」や、「日本の貨車―技術発達史―」などが特に参考価値が高い資料です。

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