国鉄ケDB10形ガソリン機関車

ケDB10形：宮崎県営軌道から国鉄への歴史

ケDB10形は、鉄道省が宮崎県営軌道から引き継いだガソリン機関車であり、独特な歴史を持っています。この機関車は1932年に宮崎県営軌道が開業する際にアメリカのホイットコム社から購入され、形式称号は1号となりました。モデル自体はホイットコムのカタログ形式ではMV型として知られています。機関車の特徴としては、車軸配置がBであり、機械式の動力伝達方式を採用しています。

主要な仕様と特徴

ケDB10形は全長2845mm、全高2057mm、全幅1346mmと比較的小型な設計です。重量は基準で4トンですが、ガス発生炉を搭載した後は4.3トンに増加した可能性があります。また、軌間は762mmで、動輪直径は457mmです。動力は、ウォーケシャ製のV型4気筒ガソリンエンジンを使用しており、出力は45HP（2000rpm）という性能を持っています。燃料の積載量は3786ℓとなっており、最大運転速度についての詳細は資料に記載されていません。

この機関車は特に代燃炉を取り付けたことでも注目されます。この改造は1935年に行われ、同年には宮崎県営軌道の買収により国有鉄道籍を取得し、正式にケDB10形が与えられました。元々は県営軌道で運用されていたため、地域の交通手段として重要な役割を果たしました。

歴史的な流れと現在

1942年5月にケDB10形は除籍され、その後の処遇については記録に残っていません。譲渡や解体、また他の鉄道会社に引き継がれたのか、詳細はわかっていませんが、国鉄の特殊狭軌線と関連する歴史の中で重要な位置を占めていたことは確かです。

この車両の開発や運用は、当時の鉄道技術や地域の交通政策の一部を反映しており、昭和初期の鉄道史を語る上で欠かせない存在といえます。軽便機関車の一部として、日本の鉄道発展の歴史を知る手がかりとなるでしょう。

関連項目

ケDB10形は、国鉄が運営していた特殊狭軌線の一例としても知られています。この形式の機関車は、他の狭軌の軽便鉄道と共に、日本の鉄道網に貢献し、多くの人に利用されていました。

参考文献としては、臼井茂信氏の著作「軽便機関車誌 国鉄狭軌軽便線 17」（『鉄道ファン』1984年11月号に掲載）があります。これにより、ケDB10形の詳細な情報や背景について、さらに深く学ぶことができるでしょう。

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