国鉄ツ1300形貨車

国鉄ツ1300形およびツ1400形貨車の概要

日本国有鉄道（国鉄）のツ1300形およびツ1400形貨車は、いずれも有蓋貨車であり、特に通風のために設計されていました。ツ1300形は1930年に改造されて登場し、ツ1400形はその前の1929年から1931年にかけて製造されました。これらの貨車は、鉄道貨物輸送の重要な役割を果たしてきましたが、その歴史は長くは続きませんでした。

ツ1300形の詳細

ツ1300形は、1930年の6月から9月にかけて鉄道省の大宮工場で、ワフ8000形から改造された10トン積みの貨車です。計画的に実施された改造により、ツ1300からツ1309までの10両が生産され、主に牛乳の輸送専用として札幌鉄道局に配備されました。これにより、新鮮な牛乳の流通が支えられ、地域経済にも貢献しました。

ストレージの利便性も考慮され、車体の塗色は黒で、幅2480 mm、高さ3658 mm、軸距3048 mmと設計されています。また、自重は8.1トンから8.6トン、最高速度は65 km/hに達する能力を持っていました。1950年には、老朽化に伴い「第二次貨車特別廃車」の対象となり、最終的には1953年の7月にツ1300が廃車になりました。

ツ1400形の詳細

一方、ツ1400形は、1929年度から1931年度にかけて、ワフ8000形を母体に改造され、10トン積みの通風車として生まれました。合計で300両が製造され、ツ1400からツ1699までの番号が付与されました。これも鉄道貨物輸送の中で重要な役割を果たしていました。

ツ1400形の車両は、各工場ごとに製造数量が異なり、大宮工場や名古屋工場などで生産されました。全長は6324 mm、全幅は2248 mm、高さは3658 mm、軸距は3048 mmで、自重は約10.7トンとなっていました。最高運転速度はツ1300形と同様に65 km/hで、積載能力は1.6、空車時は0.8両換算されました。

しかし、ツ1400形も老朽化が進んだことから、1952年には「老朽貨車の形式廃車」の対象として告示され、1954年には最後の車両が廃車となり、同時にツ1400形という形式は消滅しました。

まとめ

ツ1300形とツ1400形は、日本の鉄道輸送の歴史の一部として重要です。これらの貨車は、特に冷蔵輸送が普及する前の時代において、食品や農産物の運搬に寄与しました。未だにこれらの貨車が残した影響は、日本の鉄道輸送の発展において重要な位置を占めています。これらの貨車について記録を残すことは、過去の技術や運用方法を知る貴重な手助けとなります。

もう一度検索