国鉄ポ1形貨車

国鉄ポ1形貨車の概要

国鉄ポ1形貨車（こくてつポ1がたかしゃ）は、かつて日本国有鉄道（国鉄）が所有していた陶器運搬用の有蓋貨車です。これは、鉄道省の頃から在籍し、主に名古屋地区で使用されていました。この車両は、1934年（昭和9年）3月に、ワ1形より7両が名古屋工場で陶器仕様に改造され、新たにポ1形としての名称を与えられました。車両番号は、ポ1からポ7までであり、各車両は当初のワ1形の構造を改良することなく、決して鋼体化せず木造のままで落成されました。

改造に際し、必要最低限の変更が施されたため、ポ1形は外観的には元のワ1形の特徴を残しています。同時期に同工場では、同じくワ1形からポ50形への改造も行われていましたが、両者の違いに関する詳細は明らかではありません。ポ1形は、特に陶器運搬用として設計され、専属の貨車として使われました。

利用状況と老朽化

第二次世界大戦中および戦後の一時期、ポ1形は他の有蓋車の代用としても利用されました。1949年（昭和24年）6月1日以降、日本国有鉄道に正式に属することとなり、1950年（昭和25年）には陶器車として再整備が行われました。しかし、同時にこの車両はすでに改造から17年、初めて製造されてからは30年以上が経過していたため、老朽化の問題が深刻化していました。

1952年（昭和27年）6月26日、観察された全車両が老朽化によって「老朽貨車の形式廃車」の対象となり、正式に廃車が決定されました。最後に在籍していた2両、ポ2とポ7は1953年（昭和28年）10月6日に廃車となり、その結果ポ1形は形式自体が消滅しました。

技術的仕様

ポ1形貨車の技術的な仕様は以下の通りです。全長は6,324 mm、全幅は2,246 mm、全高は3,480 mmとなっており、軸距は3,048 mmです。また、自重は7.2 tから8.1 tの範囲で、換算両数は積車で1.4、空車で0.7です。これにより、最高運転速度は65 km/hを誇る設計となっていました。車軸は10 tの長軸を使用しており、貨物運搬時の安定性も考慮されていました。

参考文献

ポ1形について詳しく知りたい方は、以下の参考文献を見ることをお勧めします。『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）が詳しい情報源です。独特な歴史を持つポ1形貨車について、さらに知識を深めていただければ幸いです。

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