国鉄レ1300形貨車

国鉄レ1300形貨車について

国鉄レ1300形貨車は、日本の鉄道貨車の一つであり、1923年から1926年の間に改造された冷蔵車の形式です。この車両は、当初の有蓋車であるフワ30000形から派生しており、同じくレ1000形をモデルにしていますが、レ1300形は車体の長さを短縮することなく大型化されて製造されました。

製造と改造の背景

レ1300形の改造作業は、大宮工場、四日市工場（後に名古屋工場）、鷹取工場、苗穂工場の4箇所で行われました。この改造によって465両が生まれ、初期の形式であるレソ25630形から最終的な形式はレ1300形に改称されました。その際の車両整理で、一部の番号が欠番であることが特徴的です。

この貨車の冷却方式は妻半氷槽式であり、断熱材にはインシュライトが使用されています。サイズ面では全長が7996mmであり、全幅が2500mm、全高が3800mmに設計されており、運搬可能な最大荷重は12トンです。この12トンの冷蔵車は、以後の冷蔵貨車の基本的な形状を形成する重要なモデルとなりました。

冷蔵機能と塗装の工夫

1923年に改造されたレ1300形の一部には、肉懸垂鉤（フック）が取り付けられていました。さらに、1925年には冷蔵車の塗装に重要な変化がありました。それまで黒色一色だった冷蔵車に対し、初めて灰色の塗装が採用され、この変更によりメンテナンスの観点からも車内温度の維持に効果があることが示されました。この成功は、後に冷蔵車の塗装における新しい基準を生むこととなりました。

戦時中と戦後の運用

レ1300形は、戦争の影響を受け、戦時中に15両が被災により廃車となりました。しかし、戦後は148両が進駐軍専用車として運用され、多くの車両が残存しました。1950年には一部が地方私鉄に譲渡され、その後1952年の第3次特別廃車の対象となり、わずか22両の在籍状況でした。その結果、貨車の形式は事実上消滅しましたが、1954年には貨車実態調査の結果として8両の捕捉漏れが判明し、再度廃車指示が出されることになりました。

1959年には最終的にレ1300形は書類上の形式も消滅し、長い歴史に幕を下ろすこととなったのです。

参考文献と関連項目

この貨車に関する詳しい情報は、RM LIBRARY 27『国鉄冷蔵車の歴史（上）』や『日本の貨車-技術発達史-』といった文献で確認できるでしょう。国鉄レ1300形は、冷蔵車の技術進化に重要な役割を果たした車両として、鉄道の歴史に名を刻んでいます。

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