国鉄1120形蒸気機関車

1120形蒸気機関車について

1120形蒸気機関車は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道省に属していたタンク式蒸気機関車の一種です。この機関車は1926年に汽車製造によって製造され、南武鉄道の工事用として運用されました。

概要

1120形の定義は、車軸配置が0-6-0(C)の飽和式・2気筒単式機関車であり、その運転整備重量は約20トンでした。南武鉄道時代には1形（1）として知られ、1944年に国鉄に買収されることで1120形（1120）と改番されました。買収後、新たな形式が付与されるまでの間は仮番の121で運行されました。この機関車は南武鉄道が開通した際に、主に省線と貨物車の入れ替えに使用されていましたが、1948年には廃車となりました。

同じ形式の機関車は他にも5両存在し、北丹鉄道および高知鉄道で運用されました。1120形の原型となったのは、1921年に台湾向けに製造されたB-1およびB-2で、これを元にして設計が進められました。この影響を受けた機関車は、デザインや構造に共通する要素を多く持っています。

主要諸元

この機関車の主要な仕様は以下の通りです：

• - 全長: 6,843 mm
• - 全高: 3,378 mm
• - 全幅: 2,438 mm
• - 軌間: 1,067 mm
• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - 動輪直径: 865 mm
• - 弁装置: ワルシャート式
• - シリンダー（直径×行程）: 292 mm × 406 mm
• - ボイラー圧力: 12.6 kg/cm²
• - 火格子面積: 0.68 m²
• - 全伝熱面積: 40.2 m²
• - 機関車運転整備重量: 21.56 t
• - 水タンク容量: 2.27 m³

このような詳細なスペックを持つ1120形は、特に蒸気機関車の運用において優れた性能を示しました。

他の機関車との関係

1120形の同系機は、北丹鉄道および高知鉄道にも存在しました。北丹鉄道用には1923年に製造された1, 2号機があり、これらは重用されていましたが、1944年にボイラーの損傷で1号機は運用を終了しました。さらに2号機は予備機として残り、最終的には新しいディーゼル機関車へと改造される計画もありましたが、実現には至りませんでした。

一方、高知鉄道用の機関車は、1924年から1925年にかけて製造された1, 2, 3号機があり、これらも運転整備重量が軽く設定されていましたが、1951年に全線が電化されるとともに廃車となりました。

まとめ

1120形蒸気機関車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たした機関車の一つであり、デザインや性能において後の機関車に多大な影響を与えました。これに関する資料や文献も多数存在し、今なお鉄道ファンの間で語り継がれています。

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