国鉄3020形蒸気機関車

国鉄3020形蒸気機関車

国鉄3020形蒸気機関車は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道院や鉄道省に所属していたタンク式の蒸気機関車です。この機関車は、1897年にアメリカで製造され、日本に輸入されたことから、その歴史は非常に興味深いものとなっています。

概要

この機関車の起源は、甲武鉄道にさかのぼります。甲武鉄道はアメリカのブルックス・ロコモティブ・ワークスで3両を製造・輸入し、機関車の形式としてはK3形、番号は10から12のものとして名付けられました。それから約十年後の1906年に、甲武鉄道は国有化され、しばらくの間はそのままの形式番号で使われ続けましたが、1909年には鉄道院の車両称号規程により3020形（3020 - 3022）に改称されました。

機関車の特徴

国鉄3020形のボイラーはストレートトップ式で、蒸気ドームが第2缶胴の上に設置されています。この機関車には砂箱が2つあり、1つは第1缶胴、もう1つは火室の上に配置されています。安全弁は蒸気ドームと後部の砂箱の間に設置されており、その設計は当時の技術を反映しています。

この機関車の特徴として、前端梁から後端梁まで一直線に通された歩み板があります。また、シリンダ弁室や第1動輪がむき出しの形で存在し、ブルックス製の機関車に見られる溝型鋼を利用した端梁が特徴的です。対照的に、側水槽や運転室周りは曲線が少なく、角ばったデザインによって力強さが際立っています。

使用期間とその後

国有化された後、この機関車は足尾線で運用されており、1923年には全ての車両が廃車となりました。そのうち3022号は西武鉄道（旧）に譲渡され、同社の貨物列車牽引に利用されましたが、晩年には川越に放置され、1938年に廃車解体されました。

日本における影響

国鉄3020形は適度なサイズと性能が評価され、日本国内での蒸気機関車の国産化の道を切り開く存在となりました。汽車製造や日立製作所により、同類の機関車が製造され、3070形や2930形など、後の鉄道車両にも影響を与えることになります。

主要仕様

• - 全長: 9,881mm
• - 全高: 3,708mm
• - 全幅: 2,438mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-2 (1C1)
• - 動輪直径: 1,219mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダー（直径×行程）: 356mm×508mm
• - ボイラー圧力: 11.6kg/cm²
• - 火格子面積: 1.3m²
• - 全伝熱面積: 72.3m²
• - 機関車運転整備重量: 42.25t
• - 水タンク容量: 5.44m³

このように、国鉄3020形蒸気機関車は日本の鉄道史において重要な役割を果たした存在であり、その設計と使用に関する詳細は、当時の技術革新を感じさせるものとなっています。

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