国鉄C91形コンテナ

国鉄C91形コンテナについて

国鉄C91形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1966年に試作した有蓋コンテナで、主に鉄道での貨物輸送に用いられました。このコンテナは、運用時の比較試験を目的として、2つの形式が開発されました。具体的には、「940形」と「945形」という2種類の試作コンテナが製造されたのです。

開発の背景

1960年代に入ると、国鉄は貨物輸送の効率を向上させるために新しいコンテナの開発を進めていました。その一環で、940形と945形の2つの異なるデザインの屋根開閉式有蓋コンテナを製造しました。この試作は、さまざまな荷役方法を試すためのもので、比較的早い段階で実際の運用にも使われることになりました。

940形の特長

940形コンテナは、汽車製造によって1個が製作されました。特徴的な点は、片側の妻面と屋根開閉式という設計で、合計2方が開く構造を持っています。屋根はクレーンを利用して取り外すことができ、多様な荷役方法に対応可能です。具体的な寸法は、全長3,300 mm、全幅2,370 mm、全高2,350 mmです。荷重は5トンを支え、自重は1.5トン、容積は14.0 m3でした。

945形の特長

もう一つの945形コンテナも同じく汽車製造により1個が製作され、片側妻面と屋根開閉式の構造を持ちます。ここでの屋根は2分割の2段重ねスライド構造となっており、この設計は比較試験の結果、940形よりも優れているとされました。そのため、翌年度に量産されたC12形にもこの設計が採用されました。940形と同様、945形の寸法も全長3,300 mm、全幅2,370 mm、全高2,350 mmで、荷重は5トン、自重は1.6トン、容積は13.6 m3となっています。

C91形への改番とその後

1966年6月、これらの試作コンテナは一連の改番を経てC91形（C91 1, C91 2）と名付けられました。試作ながらも運用で使用されることが多く、さまざまな貨物の輸送に貢献しました。しかし、1975年には両方の形式が廃止され、C91形は歴史の中に消え去ることになりました。

まとめ

国鉄C91形コンテナは、国鉄の貨物輸送における進化の一環として、重要な役割を果たしました。短命ではありましたが、試作段階から実際の運用にいたるまで、国鉄のコンテナ技術の進展を実際に示す存在であったと言えるでしょう。これに続く新型コンテナに多くの技術的影響を与えたとも言われています。

参考文献

• - 『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』

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