国鉄DD17形ディーゼル機関車

DD17形ディーゼル機関車とその変遷

国鉄DD17形ディーゼル機関車は、1983年に日本国有鉄道（国鉄）で登場した除雪用機関車です。この機関車は、特に雪が多い地域での除雪作業を効率的に行うために設計されました。DD17形は、発表された当初から期待されていた性能があり、除雪作業だけでなく、通常運行にも使用できるという特徴を持っています。

DD17形の背景

DD14形ディーゼル機関車が当時の標準的なロータリー除雪車として運用されていましたが、その性能に対する不満が多く寄せられていました。具体的には、排雪能力の不足や運行速度の問題があり、DD14形は通常、DD13形やDE10形などの補助機関車と連結して運行されることが多かったのです。このため、一気に除雪能力を向上させる新たな機関車が求められていました。

その結果、新しいDD17形は、DD51形を改造して作られ、2基の機関を搭載することで強力な除雪能力を実現しました。この設計は自走可能で、通常の運行においても十分な出力を発揮するものでした。構造的には、もともとのDD51形の部品を再利用しつつ、液体変速機の改良を含む多くの変更が施されています。

構造と性能

DD17形は、2基の機関を搭載しており、そのうち1基を除雪用に、もう1基を走行用として使用します。ただし、無雪期には機関1基での運転に限定されるため、運転コストを抑える工夫がなされています。特に、機関車全体が高い位置にあるため、運転室からは除雪状況を確認しやすい設計になっています。

また、DD17形の最大の特徴は、着脱式のロータリー式除雪装置を備えている点です。この装置はDD14形の技術を基に改良され、投雪方向が240°まで広がっているため、住宅地やトンネル付近でも柔軟に対応することが可能です。これにより、周辺環境に配慮した運用が実現されています。

使用状況とその後

DD17形は、主に除雪用として開発されたものの、1980年代の降雪量の減少やローカル線の廃線が相次いだ影響で、結局のところ1両のみの改装に留まってしまいました。このDD17 1号機は、いくつかの運行で活躍しましたが、その後、事故による脱線などのトラブルにも見舞われます。運用の中で誕生した問題に対しても対策が施されましたが、最終的には改軌運転の必要から1991年にはDD19形として再改造されました。

DD19形に改造された後は、主に山形地域で活躍し、冬の大雪に備える重要な役割を果たしましたが、老朽化や新しい除雪車両の登場により、2007年には運用を終え、廃車となりました。このようにDD17形ディーゼル機関車は、国鉄の除雪作業において一時代を築いた存在であったと言えるでしょう。

結論

DD17形ディーゼル機関車の登場は、除雪作業の効率を向上させる重要な一歩でした。既存の機関車の問題点を克服し、革新的な設計が施されたこの機関車は、除雪だけでなく、その後の鉄道の運行にも貢献しました。

今後も、DD17形及びその後継機関車が技術革新に寄与することを期待しつつ、歴史に名を刻んだこの機関車の意義を再確認したいと思います。

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