国鉄R13形コンテナ

国鉄R13形コンテナ

国鉄R13形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1970年に製造した冷蔵輸送用の鉄道コンテナで、サイズは約11フィートです。このコンテナは、効率的な輸送を目指し、鉄道の特性に応じたデザインが施されています。

開発の背景と特徴

1970年代初頭、国鉄は高速貨物輸送の実績を背景に、より広範な線区への展開を目指していました。しかし、片道輸送の問題から、効率化を図るために冷蔵コンテナが設計されました。これにより、冷蔵食品などの輸送に特化したコンテナが必要とされるようになりました。

R13形は、クレーン荷役に対応した冷蔵コンテナとして、1970年度と1972年度にそれぞれ40両ずつ、合計80両が富士重工業と東急車輛製造によって製作されました。このコンテナは、両側に扉を持ち、1方が開く構造の他の冷蔵コンテナと比べて、荷役が容易になるように設計されていました。

性能と仕様

R13形コンテナは、3方開き構造を採用していますが、これにより熱貫流率が他のモデルよりも若干劣っています。そのため、標記エリアが制限され、「国鉄冷蔵コンテナ 戸口から戸口へ」といったフレーズが使えず、「冷蔵」の文字だけが表示されていました。

本コンテナの外観は白色であり、具体的な寸法は以下の通りです：全長は3,306.9 mm、全幅は2,378.2 mm、全高は2,361 mm、最大荷重は5トン、自重は1.7トン、そして容積は10.9 m³です。これらの仕様により、大量の貨物を安全に輸送できる能力を備えています。

廃止の経緯

残念ながら、保冷性能が相対的に劣っていたため、R13形コンテナは比較的早期に廃止されることとなりました。1985年度には、最後まで使用されていた6両が廃止され、形式としての存在が消滅しました。これにより、国鉄の冷蔵コンテナの歴史に一つの幕が下ろされたのです。

参考文献

本コンテナに関する詳細は、以下の参考文献に記載されています。

• - 貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』

国鉄R13形コンテナは日本の鉄道史において、冷蔵輸送の重要な一翼を担った存在として位置付けられています。

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