国鉄T17形コンテナ

国鉄T17形コンテナの概要

国鉄T17形コンテナは、1968年に日本国有鉄道（国鉄）によって製造された、特に鉱物油の輸送に特化したタンクコンテナです。このコンテナは、当時の技術を駆使して設計され、限定的に運用されました。製造を担当したのは富士重工業で、最初の2台はその年度にのみ生産されています。

設計の特徴

T17形コンテナは、鉄道輸送に適した11フィート規格で、全長は3,240 mm、全幅は2,300 mm、全高は2,350 mmです。最大積載量は5トン、容積は5.6 m³となっており、コンパクトな設計が特徴です。

タンク本体は普通鋼から作られ、その外側には厚さ80 mmのグラスウール断熱材が施されており、耐熱性に優れています。また、タンクの内部には4往復の蒸気加熱菅が設置されており、特に温度管理が求められる荷物の取り扱いに対応できるようになっています。

荷役はタンク上部からの上入れと、下部に設置された液出弁から行う下出し方式が採用されており、効率的な作業を実現しています。

運用と廃止

このコンテナは1968年度に製造されましたが、その後の増備は行われませんでした。そのため、運用台数は限られ、わずか2台という少数での運行となりました。国鉄T17形コンテナは、その特異なデザインと用途によって、特定の荷物を安全に運ぶために設計されたものでした。

しかし、1985年に全数が廃止され、形式が消滅した後、短期間ではありますがJR貨物によって再使用される機会がありました。この復活使用も長続きせず、1993年には再び形式が消滅しました。

結論

国鉄T17形コンテナは、その独特な設計と限られた運用歴史から、日本の鉄道輸送における特別な存在です。数は少ないものの、鉱物油の運搬を担う重要な役割を果たしました。鉄道貨物車両の技術革新を経て、今日の貨物コンテナへと進化していく過程の中で、このような特異なコンテナの存在は、鉄道史を理解する上で重要なポイントとなります。

参考文献

• - 「日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年」（貨車技術発達史編纂委員会 編著）
• - 「国鉄コンテナのすべて 下」（吉岡心平 著）

このように、国鉄T17形コンテナは鉄道輸送の歴史において記憶に残る存在として語り継がれることとなるでしょう。

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