国鉄V11形コンテナ

国鉄V11形コンテナの概要

国鉄V11形コンテナとは、日本国有鉄道が1968年度に製造した鉄道輸送用の通風コンテナです。全長約11フィートに相当するそのサイズは、貨物輸送の効率性を考慮した設計がされています。このコンテナは、貨物の運搬において新たな技術を取り入れ、国鉄の貨物輸送に貢献した重要な存在です。

製造と設計

1968年に、東急車輛製造と富士重工業の2社によって合計95個が製造されました。これ以前に設計されたV10形コンテナとの技術的な違いは、主にクレーン荷役に対応している点です。これにより、効率的な積み降ろしが可能となり、輸送の柔軟性が高まりました。

コンテナの扉は片側の妻面に一つだけ配置されており、内部の荷物の出入に便利な構造となっています。また、通風口は全体で328個も設置されており、各通風口のサイズは縦50mm、横120mmとなっています。この通風機能により、荷物の通気が確保され、特に湿気に敏感な貨物を扱う際に重要な役割を果たしました。さらに、シャッター機構を導入することで、必要に応じて通風口を開閉できるようになっており、有蓋コンテナとしても使用可能です。

性能と寸法

国鉄V11形コンテナの具体的な寸法は以下の通りです。

• - 全長: 3,238 mm
• - 全幅: 2,298.4 mm
• - 全高: 2,345.2 mm
• - 荷重: 5 t
• - 自重: 1.6 t
• - 容積: 13.6 m³

これらの数値からもわかるように、V11形コンテナは適度な大きさと強度を持ちつつ、多種多様な貨物の輸送に適した設計となっています。国鉄の貨物輸送において、このコンテナは重要な役割を果たしてきました。

使用の歴史

残念ながら、1985年には国鉄V11形コンテナの使用が終了しました。最後まで運用されていた4個が廃止され、これによりこの形式は消滅しました。このようにして、国鉄V11形コンテナは鉄道貨物輸送の歴史の中で一つの時代の象徴であったと言えるでしょう。

参考文献

国鉄V11形コンテナについての詳細な情報は、以下の文献を参照することで得られます。

• - 貨車技術発達史編纂委員会（編著）『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年。
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』 上、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 121〉、2009年。

このような歴史を持つ国鉄V11形コンテナは、鉄道貨物の進歩に寄与してきた貴重な存在であり、今後もその技術的な影響が評価され続けることでしょう。

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