国際ゲームフィッシュ協会

国際ゲームフィッシュ協会（IGFA）とは

国際ゲームフィッシュ協会（International Game Fish Association、IGFA）は、世界共通の釣りのルールを提唱し、その普及と釣魚の記録管理を行う国際的な釣り団体です。スポーツフィッシングの世界的な統括団体として認識されています。

概要

IGFAは、釣りに関する世界的な権威として、魚種ごとの世界記録を管理しています。スポーツフィッシング愛好家は、毎年発行される「World Record Game Fishes」への掲載を目指し、フェアプレーの精神と厳格なルールを遵守しています。この出版物には、釣りのヒントや魚の識別ガイドも含まれています。また、IGFAは水生生息地の保全にも尽力し、世界中の生物学者と連携して活動を展開しています。

日本国内においては、「ジャパンゲームフィッシュ協会（J.G.F.A.）」がIGFAの窓口として機能しています。

理念

IGFAは、釣魚、関連する食用魚、およびそれらの生息地を、経済的、社会的、娯楽的、美的資産として捉え、その維持と永続化を重視しています。釣りを健全なスポーツおよび自然保護の実践と両立させることを啓蒙活動の柱としています。

歴史

1939年以前は、世界共通のスポーツフィッシング倫理規範は存在しませんでした。いくつかの釣りクラブが独自の規則を設けていましたが、統一された基準はありませんでした。1930年代後半、イギリスのタニークラブが倫理的な釣りのルール策定を目指しましたが、第二次世界大戦の勃発により計画は中断されました。

同時期、マイケル・ラーナーはアメリカ自然史博物館と協力し、オーストラリアとニュージーランドへの釣り遠征を企画しました。彼はイギリスのタニークラブの計画を聞き、オーストラリア到着後、クライヴ・ファースと協力してそのアイデアを検討しました。ファースは、アメリカの釣り人の功績を知り、アメリカが倫理的な釣りの規則を考案・管理するべきだと提唱しました。

アメリカ自然史博物館のウィリアム・キング・グレゴリーは、世界的なスポーツフィッシング協会の設立に賛同し、博物館との提携を提案しました。彼の関心は、科学者とIGFAの連携を促進し、その後のIGFAの活動に大きな影響を与えました。

1939年6月7日、アメリカ自然史博物館で国際ゲームフィッシュ協会が正式に発足しました。ウィリアム・キング・グレゴリーが初代会長に就任し、マイケル・ラーナー、ヴァン・カンペン・ハイルナー、フランチェスカ・ラモンテらが参加しました。

発足後、IGFAは世界中の科学機関や釣りクラブに活動内容を周知しました。1940年1月までに、2つの科学機関、10の会員クラブ、12の海外代表者が参加し、1948年には、10の科学機関、80の会員クラブ、41の地域にIGFAの代表者が配置されました。クライヴ・ファースが初の海外代表に選出され、その他ナイジェリア、ニュージーランド、バミューダ、バハマ、チリ、コスタリカ、パナマ、キューバ、ハワイ、メキシコ、プエルトリコから代表が選出されました。

IGFAの活動が広まるにつれ、アーネスト・ヘミングウェイ、フィリップ・ワイリー、チャールズ・M・ブレダー・ジュニアなど、著名なスポーツマンや科学者が運営に参画しました。

マイケル・ラーナーは設立当初からIGFAの運営を支援し、1944年に会長に就任しました。その後、ウィリアム・K・カーペンター、エルウッド・K・ハリー、マイケル・リーチ、ロブ・クレイマーが会長職を引き継ぎました。IGFAは1950年代後半にニューヨークからフロリダに移転し、マイアミ、フォートローダーデール、ポンパノビーチを経て、1999年にダニアビーチに拠点を構えました。

1970年代には、IGFAに大きな影響を与える出来事が起こりました。E・K・ハリー副会長が個人会員制度の導入を提案し、組織の資金源を確保し、国際的な釣り人の連携を強化することを目指しました。また、1978年には、『フィールド＆ストリーム』誌が記録管理の責任をIGFAに委譲し、IGFAは海水・淡水魚の世界記録を管理する組織としての地位を確立しました。

組織

IGFAは非営利・非課税組織であり、会員のサポートと執行委員会および評議員会によって運営されています。300人以上のスポーツフィッシャーマンと女性からなる国際委員会は、世界中の漁場でIGFAを代表し、遊魚者、釣りクラブ、地方自治体、地域の漁業機関、IGFA本部との連絡役を務めています。

目的

世界記録保持: 海釣り、川釣り、フライフィッシングの世界記録、米国の州記録、ジュニア記録を管理し、記録保持者を表彰。
国際釣り規則: 世界中で採用される釣り道具と釣りの規則を策定・発行し、スポーツフィッシングの健全な発展と記録に関する統一ルールを確立。
漁業調査: 科学的な標識調査やデータ収集プログラムを支援し、漁業生物学者と連携して研究と保全活動を推進。
漁業法: 行政機関や立法機関に対し、釣果に関する規制や遊漁に関する問題について提言し、公正な意思決定を支援。

基本ルール

竿とリールを使った釣りのみが記録対象。延べ竿や手釣りは対象外。
人力以外の動力使用禁止。
複数人での魚とのやり取り禁止。
一組の仕掛けで使用できる釣り針は2本まで。ルアーのみ3本鉤の使用可。
海釣りでラインクラス20lb以下の場合、ダブルラインとリーダーは各4.57m以内、合計6.14m以内。
淡水釣りではダブルラインおよびリーダーが各1.82m以内、合計3.04m以内。

関連項目

釣り

外部リンク

国際ゲームフィッシュ協会
* ジャパンゲームフィッシュ協会

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