国際会議観光都市

国際会議観光都市：国際会議誘致と観光振興の連携拠点

国際会議観光都市とは、国際会議の誘致と開催を円滑に進め、国際観光を活性化させることを目的として、国が認定する都市や地域です。2004年に施行された「国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律」に基づき、国際観光振興機構（JNTO）が中心となり、認定された都市への支援体制が構築されています。

認定への道のり：ハードとソフト両面の整備

国際会議観光都市の認定を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。まず、国際会議の開催にふさわしい規模と設備を備えた会議場が不可欠です。さらに、参加者を受け入れるための十分な数の宿泊施設、特に国際的な基準を満たすホテルの存在も重要視されます。

ハード面だけでなく、ソフト面での体制整備も求められます。具体的には、国際会議の誘致活動を推進するコンベンションビューローや、多言語対応のできる案内・サポート体制の構築などが挙げられます。これらの組織や体制は、円滑な会議運営と参加者の満足度向上に大きく貢献します。

また、都市周辺には外国人観光客にとって魅力的な観光資源の存在も求められます。歴史的建造物、自然景観、文化施設など、会議参加者が会議前後や休憩時間に楽しめる観光スポットは、都市全体の魅力を高め、誘致成功率向上に繋がります。

政府による継続的な支援

認定を受けた国際会議観光都市は、JNTOから継続的な情報提供や海外プロモーションを受けられます。これにより、世界各国へのアピールが強化され、国際会議の誘致活動が促進されます。さらに、開催準備から運営、事後対応まで、様々な面で政府機関からの支援が得られます。

53都市への認定と今後の展望

現在、日本全国で53の都市・地域が国際会議観光都市として認定されています。これらの都市は、国際会議開催による経済効果や地域活性化に大きな期待を寄せています。

本制度は、認定都市だけでなく、その他の都市に対しても、国とJNTOが国際会議誘致・開催に向けた支援を行うことを規定しています。このことは、日本全体の国際会議誘致力を高め、国際的な交流促進に貢献するものです。

国際会議観光都市は、国際会議というプラットフォームを通じて、都市の魅力を発信し、国際的な交流を深める重要な役割を担っています。今後も、国際会議誘致の促進と観光振興の両面から、日本の国際的なプレゼンス向上に貢献していくことが期待されます。

関連キーワード

MICE：Meeting, Incentive travel, Convention, Exhibition/Eventの略。国際会議、企業イベント、展示会などを含むビジネスイベントの総称。
コンベンションビューロー：国際会議やイベントの誘致・開催を支援する組織。
* 国際観光振興機構（JNTO）：日本の観光振興を目的とする政府観光局。

もう一度検索