国際助産師連盟

国際助産師連盟（ICM）について

国際助産師連盟（International Confederation of Midwives、略称ICM）は、1954年に設立された助産師の国際的な団体です。この組織は、世界中の助産師の連携を促進し、母親、乳児、および家族に対するより良いケアの提供を目的としています。国際助産師連盟は、助産師教育の質の向上や啓発活動を通じて、助産師の専門性を高めるための様々な取り組みを行っています。

設立の背景

国際助産師連盟の設立の起源は1922年まで遡ります。当時の第1回国際助産師学会において、助産師同士の国際的なネットワークの必要性が認識され、提案がなされました。1928年には、正式に国際助産師連合として設立されました。この設立は、助産師の職業における国際的な協力と質の向上を目指す重要な一歩でありました。その後、1954年に現在の国際助産師連盟として改名され、活動が本格化しました。

主な活動内容

国際助産師連盟の活動は多岐にわたります。最も重要な目的は、母親や乳児へのケアを向上させることです。これを実現するために、以下のような具体的な取り組みを行っています。

1. 助産師教育の向上: 国際助産師連盟は、助産師教育の標準化を目指し、各国における教育課程の質の向上を促進します。そのために評価基準を設け、各国の助産師教育機関との連携を強化しています。

2. 啓発活動: 助産師の重要性や彼女たちが提供するケアの質の向上を一般の人々に広めるための啓発活動を行っています。これにより、助産師の役割に対する認識を高め、社会全体でサポートする文化を育成することを目指しています。

3. 国際倫理要綱の作成: 助産師に求められる国際的な倫理基準を策定し、助産師が職務を遂行する上での指針となるよう努めています。これにより、助産師たちの職業倫理を強化し、ケアの質を確保します。

4. ネットワーキングと支援: 67の国と地域、81の助産師協会が会員として参加し、情報交換や経験の共有を通じて、国際的なネットワークを形成しています。このネットワークを活用し、各国間での連携を深め、共通の課題に取り組んでいます。

国際助産師の日

1990年には、国際助産師の日が制定され、毎年5月5日に実施されることとなりました。この日は、助産師の重要な役割を広く認識し、助産師たちの専門性を祝うためのものです。

まとめ

国際助産師連盟は、母親、乳児、そして家族へのケアをより良いものにするために、国際的な協力を推進しています。助産師の教育向上や啓発活動を通じて、助産師の地位と役割の強化に取り組み、助産師がどの国においても高い専門性を持って患者に接することができるよう、その努力を続けています。

もう一度検索