国際地学オリンピック

国際地学オリンピック（International Earth Science Olympiad, IESO）は、高校生を主な対象とした地学の国際的な競技大会です。この大会は、地学分野に卓越した才能を持つ生徒を発掘し、地学学習への関心を高めるとともに、国際的な交流と協力を促進することを目的としています。毎年開催され、世界各国から参加者が集まります。

大会の概要

国際地学オリンピックは、国際地質科学連合（International Union of Geological Sciences）の下部組織である国際地学教育機関（International Geoscience Education Organisation, IGEO）の主要な活動として創設されました。参加資格は、開催年の7月1日時点で18歳以下の学生です。各国からの代表団は、通常、4人の選手と2人の指導者（地学または地学教育の専門家）で構成されます。

試験は英語で実施されますが、指導者による翻訳が認められる場合もあります。試験は筆記テストと実技テストで構成されており、これらの成績に基づいてメダルが授与されます。具体的には、参加者の上位約10%に金メダル、次の20%に銀メダル、次の30%に銅メダルが与えられます。

また、国際地学オリンピックでは、単に知識を競うだけでなく、参加者間の交流を深めるためのイベントも開催されます。その一つが、多国籍チームでフィールドワークを行うITFI（International Team Field Investigation）です。また、参加者が地球システムに関するプロジェクトを発表するESP（Earth System Project）も実施されます。

開催歴と日本からの参加

国際地学オリンピックは、世界各地で毎年開催されています。日本は第2回フィリピン大会以降、毎年4名の選手を派遣しています。日本からの参加者は、これまでに数々の優秀な成績を収めており、多くの金メダリストを輩出してきました。

日本人金メダリスト

以下は、過去の国際地学オリンピックで金メダルを獲得した日本人選手の一覧です。

2010年: 野田和弘（広島学院高等学校）
2011年: 渡辺翠（桜蔭高等学校）
2012年: 中里徳彦（横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校）
2013年: 安藤大悟（灘高等学校）
2014年: 宇野慎介（灘高等学校）、西山学（巣鴨高等学校）、野村建斗（筑波大学附属駒場高等学校）
2015年: 辻有恒（灘高等学校）
2016年: 笠見京平（広島学院高等学校）、坂部圭哉（海陽中等教育学校）、廣木颯太朗（海城高等学校）
2017年: 押見祥太（小石川中等教育学校）、土屋俊介（聖光学院[[高等学校]]）
2018年: 青沼惠人（筑波大学附属駒場高等学校）、大野智洋（甲陽学院高等学校）、田中匠（栄光学園高等学校）
2019年: 大野浩輝（筑波大学附属駒場高等学校）、寺西雅貴（灘高等学校）、中尾俊介（洛星高等学校）、山野元暉（灘高等学校）
2021年: 孫翰岳（筑波大学附属駒場高等学校） - オンライン大会にて金メダル相当のExcellentを受賞
2022年: 下河邊太智（海城高等学校）
2024年: 王佳祥（灘高等学校）、近藤克洋（灘高等学校）

これらの金メダリストたちは、日本の地学教育のレベルの高さを世界に示すとともに、次世代の地学研究者を志す若者たちに大きな刺激を与えています。

関連情報

国際地学オリンピックは、地学分野の国際的な交流と協力を促進する上で重要な役割を果たしています。また、この大会は、国際科学オリンピックや国際地理オリンピックといった他の科学分野のオリンピックと並び、若い才能を発掘し、育成するための重要なプラットフォームとなっています。

外部リンク

NPO法人地学オリンピック日本委員会 - 公益社団法人日本地球惑星科学連合
国際地学オリンピック 公式サイト（英語）
IESO 2007年大会 (PDFファイル)（英語）
IESO 2008年大会（英語）
IESO 2009年大会（英語）

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