国際廃炉研究開発機構

技術研究組合 国際廃炉研究開発機構（IRID）

国際廃炉研究開発機構は、福島第一原子力発電所の廃炉作業に特化した研究を行っている機関です。この機構は、2013年8月に設立され、様々な電力会社やプラントメーカー、研究機関が協力しています。設立の主な目的は、福島の現場における廃炉作業を効果的に進めるための技術的な背景や知見を集約し、開発することです。

組織概要

本部は東京都港区に位置しており、943名の職員が在籍しています。機構の理事長は山内豊明氏が務めており、さまざまな参加法人が協力して研究を行っています。具体的な参加者には、日本原子力研究開発機構、産業技術総合研究所、そして様々なプラントメーカーと電力会社が名を連ねています。

参加している電力会社には、北海道電力、東京電力ホールディングス、中部電力、関西電力などがあり、プラントメーカーは東芝エネルギーシステムズや三菱重工業などが含まれています。これらの機関が協力することで、廃炉に向けた多角的なアプローチが可能となっています。

沿革

国際廃炉研究開発機構は、2013年8月1日に技術研究組合法に基づく設立認可を受け、同年8月8日に臨時総会を実施し活動を本格化させました。また、2013年9月23日から27日にかけては、第1回の国際エキスパートグループ会議が開催され、国内外の専門家との情報交換が行われました。

研究内容

機構の研究は主に、使用済み核燃料や燃料デブリの取り出し、原子炉建屋の遠隔除染、そして放射性廃棄物の処理に関連する技術開発に焦点を当てています。具体的には、福島第一原子力発電所での課題に対して、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、ウクライナの専門家からの助言を受けながら、過去の原子力事故の教訓を生かした研究が進行中です。

将来的には、政府が2025年度末を目標に福島県楢葉町に設置予定の原子炉原寸大模型を用いて、実証実験が行われる計画です。この実証実験を通じて、さらなる技術の確立と効率的な廃炉プロセスの構築を目指しています。

結論

国際廃炉研究開発機構は、福島第一原子力発電所の廃炉に関する最前線の研究機関として、多様なパートナーシップや国際的な専門知識を活用し、廃炉に向けた取り組みを進めています。これにより、安全で効率的な廃炉作業を実現するための技術開発に寄与することが期待されています。

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