国際標準レコーディングコード

国際標準レコーディングコード（ISRC）は、音源を識別するための国際的な標準コードであり、ISO 3901として規格化されています。このコードは、録音された音源を個別に識別することを目的としており、楽曲自体ではなく、録音されたバージョンに紐づけられます。

ISRCの特性

ISRCの最も重要な特徴は、同じ楽曲であっても、異なる録音や編集が行われた場合には、それぞれ別のISRCコードが付与されるという点です。例えば、同じ曲を異なるアーティストが録音した場合や、同じアーティストでもスタジオ録音とライブ録音では、それぞれ別のISRCコードが割り当てられます。また、同一の録音物であれば、異なる媒体（CD、デジタル配信など）で配布された場合でも、ISRCコードは通常同一となります。ただし、例外的なケースも存在します。例えば、過去にレコード会社が倒産し、マスター音源が別の会社に引き継がれて、後年CD化された場合など、同一音源であるにも関わらず、異なるISRCコードが付与されることがあります。これは、ISRCコードがレコード会社ごとに管理されるため、会社が変わることでコードが再発行されるためです。

ISRCの構成

ISRCは、12桁の英数字で構成されており、その内訳は以下の通りです。

1. 国名コード（2桁）: 録音物が登録された国を表すコードです。日本であれば「JP」となります。
2. 登録者コード（3桁）: 録音物を登録したレコード会社や団体などを識別するコードです。
3. 年次コード（2桁）: 録音物が登録された年を表すコードです。例えば、2023年であれば「23」となります。
4. レコーディング番号（5桁）: 登録者がその年に登録した録音物を識別するための連番です。

例えば、「ISRC JP-AA0-01-23456」というISRCコードは、日本で登録された、登録者コードが「AA0」のレコード会社が、2001年に登録した、連番「23456」の録音物であることを示します。

ISRCの利用

ISRCは、CDなどの物理媒体に電子的に記録されるだけでなく、デジタル音楽配信においても重要な役割を果たします。ISRCによって、著作権管理団体は、楽曲の利用状況を正確に把握し、著作権者に適切な報酬を分配することができます。また、音楽配信サービスにおいても、ISRCは音源を正確に識別し、ユーザーに正しい楽曲を提供するために不可欠な情報です。

関連情報

日本レコード協会: 日本におけるレコード産業の団体で、ISRCの普及と管理にも関わっています。

外部リンク

日本レコード協会規格 RIS503-2004 国際標準レコーディングコード(ISRC)(pdf)
* 社団法人日本レコード協会 ISRC概要


ISRCは、音楽業界において、音源の権利保護と円滑な流通に不可欠なシステムです。正確なISRCの利用と管理が、音楽文化の発展に貢献すると言えるでしょう。

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