国際産業

国際産業（コクサイ）について

国際産業、一般には「コクサイ」として知られているこの企業は、かつて日本のトイガン業界で非常に重要な役割を果たしていました。主にモデルガンやフロンガスを使用するエアソフトガンを製造・販売していたこのメーカーは、特にモデルガンの黎明期からアメリカのスミス&ウェッソン（S&W）社製リボルバーを忠実に再現することで多くのトイガン愛好者に親しまれていました。

特に米国の映画で使用されることが多かったM19シリーズやM29シリーズは、精密な作りと観賞用としての美しさで評判を博しました。しかし、ガスガンの性能については、設計上の課題や品質のバラつきがあったため、評価が分かれることが多かったのも事実です。例えば、弾丸の装填と排莢のリアルさを求める中で構造的に高い性能を実現することは難しく、他社製品に遅れを取ってしまうこともありました。

ある意味で特異な存在だったのが、1980年代に登場したM16のガスセミオートライフルです。このモデルは、当時のサバイバルゲーム界で使われていたBV式ガスガンよりも高い命中精度を誇り、多くのゲーマーに支持される存在となりました。このモデルは、マイナーチェンジを重ねながら長年にわたって愛され続けました。

また、コクサイは「スーパーウェポン」と呼ばれる特徴的な機構を持つライフルを開発し、火薬の発火による音や排莢とコッキング動作を再現するなど、意欲的な試みを行っていました。特にM16やXM177モデルは、リアルな仕上がりと高い性能を両立させることができ、トイガンファンから高く評価されました。他にも、コクサイ独自の負圧式ガスブローバックメカニズムを取り入れた製品も存在し、トイガン業界における革新を象徴するブランドでもありました。

しかし、1990年代に入ると、リボルバータイプの人気が低下し、モデルガン市場全体が冷え込む中で、業績は次第に困難になりました。エアソフト市場の主流が電動エアーガンやガスブローバックガンへ移行する中、コクサイは新たにAPSカップ用エアコッキングガンを導入しましたが、その性能は期待に応えられるものではありませんでした。

2000年代に入り、コクサイは新機種の開発を予告しましたが、社屋の火災情報が広まり、ブランド活動は事実上終了しました。その後、在庫品の販売をサンプロジェクト社が引き継ぎ、一部の金型は有限会社ウリウが買い取って製造を再開しました。

その中で復活を果たしたM29シリーズは、リアルな外観や内部構造が特徴で、さらに多くのモデルがプレイヤーからの要望に応えて改良されました。このように、コクサイブランドは完全新作の製品は展開していないものの、ファンの期待に応じて改善を続けていました。

年は流れ、2018年1月31日をもって「コクサイ」ブランドとしての商品の製造は終了しましたが、その歴史と技術は今も多くの愛好者たちの心に息づいています。モデルガンに情熱を注いだコクサイの姿勢は、トイガン愛好者にとって忘れがたい想い出となっています。

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