国際農業開発基金

国際農業開発基金（IFAD）

国際農業開発基金（IFAD）は、国際連合の専門機関および国際金融機関で、農村地域の貧困層の支援と食料安全保障の確保を目指しています。この機関は、1974年にローマで実施された世界食糧会議で設立が決議され、1977年に正式に活動を開始しました。本部はローマに位置し、2024年5月現在、178の国が加盟しています。

目的と活動

IFADの主な目的は、発展途上国の農業生産を増加させるために、必要な資金を融資することです。農村地域での貧困削減に貢献するため、さまざまな開発プロジェクトに対して資金を提供しています。およそ240億ドル以上の低利融資や補助金は、1978年以降に提供されており、その資金は加盟国からの拠出金によって賄われています。IFADは定期的に資金増強を行い、2021年には2022年から2024年にかけての第12次増資を達成し、合計38億ドルが予定されています。

組織の構成

IFADの運営にはいくつかの重要な機関が存在します。最上級の意思決定機関である総務会は、各加盟国から任命された総務とその代理者によって構成されます。最初の総務会は1977年12月に開催され、以降は毎年2月に行われています。この会議では、総裁の指名や政策方針の決定が行われ、日本は駐イタリア大使が総務を務め、財務省官房審議官が代理を担っています。

また、理事会は総務会に選ばれた18の理事国とその代理理事国から成り立ち、年に3回（4月、9月、12月）会議を開き、プロジェクトに関する審議や融資の承認を行います。

総裁の役割

総裁は総務会において3分の2以上の賛成を得て任命され、任期は4年であり、再任が可能です。このように、IFADの運営は多層的な決定機関とその構成メンバーの協力によって支えられており、農村の貧困問題と食料安全保障に対するアプローチを強化しています。

その他の関連機関

IFADは、世界食料安全保障委員会（CFS）など他の機関とも連携をし、国際的な食料政策の形成にも寄与しています。こうした取り組みを通じて、国際的な農業や食料システムの持続可能性を高め、発展途上国における農村開発の支援が進められています。

参考情報

IFADの公式サイトや各種公式資料、関連情報は多岐にわたります。日本国内でもIFADとのパートナーシップを進めており、持続的な農業システムの強靭性を高めるためにさまざまな活動を展開しています。国際農業開発基金は、発展途上国における農業の発展と食料の安定供給に欠かせない存在として、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。

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