国際連合予防展開軍

国際連合予防展開軍（UNPREDEP）は、1995年3月31日の国際連合安全保障理事会決議983に基づき、マケドニア共和国に展開された国際連合平和維持活動です。

背景と設立

ユーゴスラビア紛争の停戦監視は、当初、国際連合保護軍(UNPROFOR)が担っていました。1992年12月、UNPROFORは、民族対立による衝突の懸念が高まっていたユーゴスラビア連邦共和国（コソヴォ）とマケドニア共和国の境界地域に予防的に展開し、紛争の防止にあたることになりました。これは、国連平和維持部隊(PKF)にとって初の事前展開事例となりました。

UNPREDEPへの再編

1995年3月31日の安保理決議983により、マケドニアにおける任務はUNPROFORから、再編制された国際連合予防展開軍(UNPREDEP)に引き継がれることとなりました。UNPREDEPの主な任務は、マケドニア共和国とユーゴスラビア連邦共和国の国境地域を監視し、武力紛争の発生を抑止することにありました。

1999年2月時点でのUNPREDEPの規模は、兵員1,049名、軍事監視要員35名のほか、文民スタッフが配置されていました。

活動の成功と終了

UNPREDEPは、展開期間中、紛争の抑止に成功を収めました。しかし、マケドニア共和国が中華民国（台湾）との国交を樹立したことが、その後の活動に影響を与えます。中華人民共和国がUNPREDEPの任期延長に賛成しなかったため、1999年2月28日をもって、UNPREDEPは活動を終了することとなりました。

意義

UNPREDEPは、紛争の未然防止を目的とした国連平和維持活動の先駆けとして、国際社会における紛争予防の重要性を示す事例となりました。

外部リンク

UNITED NATIONS PREVENTIVE DEPLOYMENT FORCE

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