国際連合信託統治理事会

国際連合信託統治理事会

国際連合信託統治理事会は、国際連合の主な機関の一つとして、その設立は1964年12月14日に国際連合総会の決議によって決定されました。この理事会は、信託統治地域に対してその行政を監視・管理する役割を持っています。

概要

信託統治理事会は、国際連合憲章第13章の第86条から第91条までに規定されています。信託という概念は、特定の目的に従い、財産の管理や処分を他者に任せることを指します。したがって、信託統治理事会は特定の地域の財産管理について国際連合への信頼に基づいて決定を行う機関といえます。

1994年10月1日、最後の信託統治地域であるパラオが独立し、その結果により理事会は実質的な業務を終えました。そして同年11月1日、理事会は以後の活動を停止することを正式に決定し、事務局も含め業務を停止しました。それによって、理事会は従来のように毎年1回以上開かれることが少なくなり、現在は理事国の多数や総会・安全保障理事会の要請があった場合に限り開催されるようになりました。

理事会の開催

1994年以降、理事会は形式的には存続しているものの、実質的な活動は行われていません。しかし、2024年現在においても、約2年ごとに理事会は開催され、議長や副議長が選出されています。最近の例としては、2023年12月に第74期の初回理事会が実施されたことが挙げられます。

理事会の構成国

信託統治理事会は、次の国々で構成されています。まず、信託統治地域を施政する加盟国、安全保障理事会の常任理事国で信託統治地域を施政しない国、そして国際連合総会によって3年の任期で選出された加盟国です。1975年にニューギニアがパプアニューギニアとして独立して以来、信託統治理事会は、常任理事国である中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの5ヵ国のみで成り立っています。

任務と権限

信託統治理事会には、いくつかの重要な任務と権限があります。まず、施政権者から提出された報告を審議し、請願を受け付けて施政権者と協議を行います。また、定期的な視察を実施することや、信託統治協定に基づき必要な行動を取ることが求められます。さらに、各信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的、教育的進展についての質問を作成し、施政権者が年次報告を総会に提出する仕組みが整えられています。

表決

理事会では各国が1票の投票権を持ち、決定は出席して投票した理事国の多数決によって行われます。

議場

信託統治理事会は、ニューヨークの国際連合本部ビルに専用の議場を有しています。この議場はデンマークの建築家フィン・ユールによって設計されました。ユールは家具デザイナーとして知られつつも、空間と家具の関係を深く理解した建築家でした。彼は1940年代にデンマークのデザインの先駆者としての地位を確立し、1950年代にはこの議場の設計により国際的な名声を得ました。

その他の規定

信託統治理事会は、議長の選出方法を含む手続規則を採択し、理事会は必要な場合にこれに従って開催されます。過半数の理事国による要請があれば会議を呼びかけることができるとともに、経済社会理事会や国連の他の専門機関からの援助を求めることも許されています。

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