国際連合兵力引き離し監視軍

国際連合兵力引き離し監視軍（UNDOF）

国際連合兵力引き離し監視軍（United Nations Disengagement Observer Force、通称UNDOF）は、主にゴラン高原における停戦監視を目的とした平和維持活動の一つです。1974年5月31日の国際連合安全保障理事会決議350に基づき設立されました。この部隊は、イスラエルとシリアの間の緊張が続くエリアにおいて、兵力の引き離しと停戦の監視を行うために派遣されました。活動が開始されて以来、重要な事案が発生していないことから、国際的な安全保持にも寄与しているといえるでしょう。

概要

ゴラン高原は第四次中東戦争が勃発した1973年10月に、イスラエルとシリアの激しい戦闘が繰り広げられた地域です。この戦争の影響で、事態は軍事的には不安定な状態に陥りましたが、1974年にはそれを是正するための停戦が成立しました。国際連合はこの停戦を確実に維持するため、兵力引き離し地帯の設置と監視部隊の派遣を決定し、UNDOFが1974年6月に活動を開始しました。

UNDOFの活動により、現地の安全保障状況は安定化しましたが、2010年6月の時点で、フィリピン出身のエカルマ少将が司令官をつとめ、約1,000名の部隊がエリアの監視を行っていました。このデタッチメントは、オーストリア、カナダ、クロアチア、インド、日本、フィリピンなどの国々からの派遣国によって構成されていました。しかし、2012年から2013年にかけて、シリア内戦の激化に伴い、日本とオーストリアが撤収を決定する事態となりました。

日本政府の対応

日本は1996年以降、UNDOFへ部隊を派遣してきましたが、シリア内戦の影響で現地の治安が悪化したことにより、2012年12月に撤収が決定されました。これは、日本政府が安全を第一に考慮した結果であり、2013年1月には実際に撤収が完了しました。

重要な日程

• - 2009年1月30日: 自衛隊派遣の期間を6か月延長し、司令部要員を1名追加派遣。
• - 2009年7月24日: 自衛隊派遣期間を2010年3月31日まで延長。
• - 2010年1月29日: 自衛隊派遣期間を2010年9月30日まで6か月延長。
• - 2011年7月29日: 自衛隊派遣期間を2012年3月31日まで6か月延長。
• - 2012年12月8日: シリア内戦の影響を受け、日本政府が撤収方針を固める。

国際的な平和と安全保障の維持に向けたUNDOFの活動は、地域の安定化に寄与してきたものの、それが継続されるためには、国際社会の協力が必要不可欠です。今後も国際連合の平和維持活動は重要な役割を果たし続けるでしょう。

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