国際連合安全保障理事会決議1368

国際連合安全保障理事会決議1368

国際連合安全保障理事会決議1368（UNSCR1368）は、2001年9月12日に国連の安全保障理事会で採択された決議で、特にテロ行為による国際的な平和と安全への脅威に対処するためのものでした。この決議の根幹は、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件への対応にあります。

採択の経緯

アメリカで発生した同時多発テロは、無差別なテロ行為の代表的な例として国際社会に衝撃を与えました。この事件に対し、国連安保理は緊急に招集され、全会一致で決議1368を採択する運びとなりました。この決議は、被害国であるアメリカ合衆国とその同盟国に対して、個別的または集団的自衛の固有の権利を認めるものであり、国際法の枠組みの中でテロ行為に対抗する姿勢が示されています。

主な内容

決議1368は前文と本文から構成されています。前文では、テロ行為が国際の平和及び安全に対する脅威であることを認識し、国連憲章のもとであらゆる手段を用いてこれと闘うことを決意すると述べています。本文では具体的に、アメリカ同時多発テロ事件を強く非難し、その影響を受けた犠牲者やその家族、そしてアメリカ国民への同情と哀悼の意が表明されています。

また、決議は全ての国に対し、テロ攻撃の実行者を法の下で裁くための努力を求めるとともに、これらの実行者を支援したりかくまったりする者に対しても責任を問う姿勢を強調しています。さらに、国際社会に対して、関連する国際テロ対策条約や安保理決議1269号などを完全に実施することによって、テロ行為の防止と抑止に向けたさらなる努力を求めています。

結論

決議1368は、国連安全保障理事会がテロ行為に対して共同で取り組む決意を示した重要な文書であり、国際的な協力によるテロ対策の強化を促進するものとなりました。また、この決議は、テロリズムの撲滅に向けた国際社会の取り組みを加速させ、テロ行為に対する国際法的な枠組みの確立に寄与しています。

この決議の採択は、国際連合の役割を再確認し、平和の維持と国際安全保障に向けた新たな局面を切り開いたといえるでしょう。

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