国際連合安全保障理事会決議1511

国際連合安全保障理事会決議1511について

国際連合安全保障理事会の決議1511（UNSCR1511）は、2003年10月16日に採択された重要な文書であり、イラクとクウェートの情勢に関連しています。この決議は特に、イラクの復興に向けた様々な措置を講じることを目的としています。

決議の要点

この決議の主な内容は、イラクの連合国暫定当局（CPA）からイラク側へ統治権を返還することを約束し、その際に新憲法の起草と民主的選挙を実施するための日程を整えるよう促すものです。具体的には、イラク統治評議会に対して、これらのプランを2003年12月15日までに策定するよう要請しています。決議は、全会一致で採択され、国際社会の支持を得ています。

詳細な内容

決議の採択に関する詳細は、同日に公表された国連安保理の報道資料において確認できます。以下は、主な内容の要約です。

1. 統治権の委譲：CPAに対し、イラク側に統治権を可能な限り早急に委譲することが求められています。
2. 主権の認定：国際的に認知される政府が発足するまでの間、イラク国家の主権はイラク統治評議会にあるとされています。
3. 新憲法の起草：イラク統治評議会が、2003年12月15日までに新憲法を起草し、民主的選挙を実施することが奨励されます。
4. 治安維持の多国籍軍：加盟国には、イラクでの治安維持のために多国籍軍を展開し、その活動を統一指揮下で行うよう要請されます。
5. 国連の役割：国連の役割が強化され、以下の活動が期待されています：政府機構の支援、人道援助の実施、経済復興と持続可能な開発の推進。
6. 治安維持機関の設立重要性：イラクの法と秩序を確保するために、イラク警察や警備隊の設立が重要であることが強調されています。

さらに、決議ではイラクで発生した一連のテロ行為に対する強い非難が表明されています。特に、2003年に行われた以下の事件が挙げられています。

• - 8月7日：ヨルダン大使館爆破テロ事件
• - 8月19日：国連バグダッド本部爆破事件
• - 8月29日：ナジャフにあるイマーム・アリー（Imam Ali）モスクの爆撃
• - 10月9日：スペイン外交官の殺害
• - 10月14日：トルコ大使館爆破事件

これらの事件は、復興プロセスにおける重大な障害となっており、国際社会はこれに対する対応を協議しています。特に、10月23日と24日にマドリードで開催された国際拠出国会議において合意された誓約についても、加盟国と国際機関に履行が求められています。

結論

国際連合安全保障理事会決議1511は、イラクの未来を見据えた取り組みとして、統治権をイラク側に返還し新しい民主的体制を構築するための基盤を築くための文書です。この決議は、国際的な協力を促進し、イラクの安定と復興に向けた一歩を示す重要なものであると言えるでしょう。

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