国際連合安全保障理事会決議157

国際連合安全保障理事会決議157

国際連合安全保障理事会決議157（UNSCR 157）は、1960年9月14日に採択されました。本決議は、コンゴ動乱の影響を受けた状況を扱った重要なものであり、国連安保理の機能不全がもたらすリスクに対処するために国連総会に緊急の特別会期を招集することを決定しました。

決議の背景と経緯

1950年代末から1960年代初頭にかけて、コンゴでは政治的混乱や武力衝突が相次ぎ、国内外で多大な影響を及ぼしていました。特に、コンゴの独立に伴い、民族や地域間の対立が激化し、暴力的な動乱が生じました。国際社会がその解決に乗り出そうとしたものの、国際連合安保理の常任理事国間での意見の不一致が、効果的な対応を阻んでいました。

第906回安保理会合では、安保理における常任理事国の間での統一が欠如している状況が強く指摘され、これにより国際平和と安全を守るという安保理の責務が果たせなくなっていたことが議論されました。このような事態を受け、安保理は適切な勧告を行うために国連総会を通じた対策を講じる必要があるとの結論に達しました。

決議の内容

決議157は、安保理の意義と役割を改めて認識しつつ、国連総会の緊急特別会期の招集を決定しました。この特別会期では、コンゴ動乱に対する国際社会の協調による介入や支援のあり方が議論されることとなりました。決議は賛成8票、反対2票（ソビエト連邦、ポーランド人民共和国）、棄権1票（フランス）という結果で採択されました。

この決議がもたらした影響は大きく、コンゴの安定化に向けた国際的な取り組みが加速するきっかけとなりました。国連の活動の重要性が再確認され、平和維持活動が国際的に広がる基盤が築かれることとなりました。

結論

国際連合安全保障理事会決議157は、冷戦時代における国際協力の重要性を示す一例であり、国際社会が諸問題に対して効果的な対応をするための枠組みを提供しました。また、コンゴ動乱に対する対応の一環として、国連総会を通じての議論や行動が開始され、以降の国際的な平和活動に多大な影響を与えることになりました。特に、国際連合の役割がどのように変化し、どのように進化していくのかという点についても重要な示唆を与える決議であるといえます。

もう一度検索