国際連合安全保障理事会決議2321

国際連合安全保障理事会決議2321について

国際連合安全保障理事会（UNSC）の決議2321は、2016年11月30日に採択され、北朝鮮が2016年9月9日に行った5回目の核実験を受けて、その制裁措置を強化する目的で定められました。この決議は、その前の4回の核実験に対する決議1718、1874、2094、2270の流れを受け継ぎ、国連憲章第7章に基づく具体的な経済制裁を含んでいます。

主な内容

決議2321では、北朝鮮に対する様々な制裁措置が新たに追加されました。以下にその概要を示します。

1. 禁輸対象品目の追加

禁輸品目が新たに追加されました。特に、核またはミサイルに利用可能な15品目と、化学・生物兵器に関連する3品目が指定されました。また、奢侈品についても、新たに輸出禁止対象が設定され、500ドル以上のじゅうたんやタペストリー、100ドル以上の陶器などが具体的に規定されました。

2. 人に対する制裁

入国禁止措置が11名に対して追加され、北朝鮮関連の科学技術協力も厳しく制限されました。特に、医療交流を除き、北朝鮮との公式な関係を持つことは禁じられました。

3. 運輸に対する制裁

北朝鮮への船舶や航空機のリース・チャーターも制限され、国連の制裁委員会の承認が必要となりました。また、指定された船舶が核関連や決議違反に繋がる可能性がある場合、各国に対して指定された港への入港を指示する権限が与えられました。

4. 金融制裁

資産凍結対象としてさらに11名と10件の団体が追加され、外交使節団や領事機関に関しては口座数の制限が設けられました。これにより北朝鮮に対する金融活動が厳しく制限されます。

5. 企業活動の制限

北朝鮮に位置する代表事務所や銀行口座について90日以内に閉鎖する措置が求められています。また、公的および民間の金融支援も制限され、北朝鮮との貿易に影響を及ぼすことが期待されます。

6. 資源の禁輸措置

北朝鮮からの石炭輸入については、年間750万トンまたは400,870,018米ドルのいずれか低い方に制限され、さらに銅、ニッケル、銀、亜鉛の禁輸が行われました。これにより、北朝鮮の経済活動にも深刻な影響を与えることが予想されています。

成立の経緯

決議2321は、北朝鮮の核実験に抗議する形で国際社会が一致団結して採択されたものです。すなわち、2016年9月9日に北朝鮮が核実験を実施したことを契機に、2016年11月30日に制裁が強化される決議が全会一致で承認されました。これにより、国際的な圧力が一層強まり、北朝鮮に対する抑止力が高まることが期待されています。

結論

国際連合安全保障理事会決議2321は、北朝鮮の核開発を抑制するための重要なステップとされ、国際社会の団結した対応の象徴です。この決議の実施が、北朝鮮による核兵器開発にどのように影響を与えるか、引き続き注視する必要があります。

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