国際連合安全保障理事会決議2371

国際連合安全保障理事会決議2371についての詳細

国際連合安全保障理事会決議2371（UNSCR2371）は、2017年8月5日に国連安全保障理事会で全会一致で採択された重要な文書です。この決議は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の弾道ミサイル発射に対して具体的な制裁を定めるものであり、特に2017年7月4日と7月28日に実施されたミサイル発射に対する直接的な反応として策定されました。これらのミサイルは日本の排他的経済水域内に落下しており、国際社会に対する大きな安全保障上の懸念を引き起こしました。

背景と経緯

2017年7月4日に北朝鮮が発射した最大高度2802km、飛行距離933kmの弾道ミサイルが、日本の排他的経済水域内に落下しました。また、同年7月28日には、3700kmの高度を達成し、飛距離1000kmのミサイルが再び同水域に落下しました。これらの挑発行為に対し、国連安保理は迅速に対応する必要がありました。その結果、8月5日に追加的な制裁を盛り込んだ決議2371が成立したのです。

主な内容

この決議には多くの具体的な制裁が含まれていますが、その中でも特に重要な点を以下に示します。

禁輸対象品目の追加

制裁委員会には、新たな禁制品の追加指定が求められ、北朝鮮に対する禁輸対象品目が拡大されました。これにより、特定の物品の取引が厳しく制限されることとなりました。

人に対する制裁

追加で9人の個人に対する入国禁止措置が指示され、国際刑事警察機構（INTERPOL）に対してこれらの個人を国際手配するよう要請されました。これにより、北朝鮮の軍事プログラムに関与しているという理由で、さらなる圧力が加えられました。

運輸に関する制裁

北朝鮮に関連する船舶に対しても制裁が強化されました。決議違反に関与する船舶は指定され、各国に入港禁止が命じられる権限が与えられました。また、北朝鮮籍の船をチャーターすることも禁止されました。

金融制裁

融資機関に対する制限も強化され、資産凍結対象として9人の個人および4つの団体が追加されました。これにより、経済的な活動に対しても大きな制約が加わりました。ただし、朝鮮貿易銀行（FTB）や朝鮮民族保険総会社（KNIC）との金融取引は人道活動に限り除外されました。

企業活動の制限

北朝鮮との新しい合弁企業や共同事業体の設立には制裁委員会の承認が必要とされるため、国際的な商業活動にも影響が及んでいます。

資源等の禁輸措置

特に北朝鮮からの石炭、海産物、鉛および鉛鉱石の輸入が禁止されました。これにより、北朝鮮の主要な収入源が制限されることを目的としています。

結論

国際連合安全保障理事会決議2371は、北朝鮮に対する強力な制裁を定義した重要な文書であり、国際社会が一丸となって北朝鮮の挑発行為に対抗する意思を示したことを意味しています。この決議は、北朝鮮の核開発及びミサイルプログラムを抑制するための適切な措置として、今後も国際的な議論の中心になっていくでしょう。

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