国際連合安全保障理事会決議2375

国際連合安全保障理事会決議2375

国際連合安全保障理事会（UNSC）は2017年9月11日、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の核実験に対する新たな制裁を定めた決議2375を全会一致で採択しました。この決議は、同年9月3日に実施された北朝鮮の第6回核実験に対応しており、過去の決議に基づく制裁の強化を目的としています。

主な内容

1. 禁輸対象品目の追加

今回の決議では、禁制品のリストに新たな項目が追加され、各国に対して制裁委員会への報告義務が課せられました。また、具体的な製品についてもさらなる規制が実施されることが求められています。

2. 運輸に関する制裁

国連は、決議違反が疑われる船舶に対して、旗国の同意のもとでの検査を促進するよう各国に求めています。旗国が検査に同意しない場合、その船舶の資産凍結が検討され、最終的には旗国に対して船籍剥奪が指示される可能性があります。各国は、検査のための情報を制裁委員会に定期的に報告することが要求されています。また、軍艦や公船などの主権免除を享受する船舶はこの制裁の対象外となります。

3. 禁輸措置

決議では、北朝鮮への輸出における規制が強化されました。具体的には、液化天然ガスやコンデンセートの全面禁輸、石油精製品の年間輸出上限を200万バレルに設定、さらに原油輸出量も過去12か月に輸出された量に制限されることが定められています。反対に、北朝鮮からの輸入も制限され、特に繊維製品の全面禁輸が実施されます。さらに、北朝鮮出身の労働者の受け入れも停止されます。

4. 企業活動の制限

国連は、北朝鮮との合弁企業や共同事業体の設立に関して、制裁委員会の承認が必要である旨を決定しました。既存の合弁企業は、決議採択から120日以内に閉鎖されることが求められていますが、特定の水力発電インフラ事業や港の共同事業については例外が認められています。

成立の経緯

この決議の背景には、北朝鮮による恒常的な核実験と国際社会からの強い懸念がありました。2017年9月3日に行われた6回目の核実験を受け、国連安保理は即座に制裁を強化する必要性を感じ、9月11日に決議を採択しました。

関連項目

この決議は、北朝鮮の核開発に対する国際的対応の一部として位置付けられます。過去の核実験に関連したさまざまな決議（1718、1874、2094、2270、2321、2356、2371など）と連動して、国際的な圧力がかけられています。国際社会において、北朝鮮による核開発に対する懸念は高まり続けており、これらの決議が実施されることで、国際の安全保障に寄与することが期待されています。

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