国際連合安全保障理事会決議2623

国際連合安全保障理事会決議2623の概要

国際連合安全保障理事会決議2623は、2022年2月27日に国際連合安全保障理事会で採択された決議です。この決議は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、国際連合緊急特別総会を開催することを目的としています。この決議は、国際連合総会における「平和のための結集決議」に基づいており、安全保障理事会が機能不全に陥った場合に、総会が国際的な平和と安全の維持・回復のために行動できることを規定しています。

決議の内容

決議2623は、手続き事項に関するものであり、安全保障理事会の常任理事国であっても拒否権を行使することができません。このため、ロシアは反対票を投じましたが、決議の採択を阻止することはできませんでした。また、中国、インド、アラブ首長国連邦は棄権しました。

平和のための結集決議

この決議は、1950年11月3日に採択された国連総会決議377 A、「平和のための結集決議」を根拠としています。この決議は、国際的な平和と安全の維持が必要であるにもかかわらず、安全保障理事会の常任理事国間の不一致によって安保理が機能しない場合、総会が直ちに問題を検討し、必要に応じて武力行使を含む集団的措置を加盟国に勧告できると規定しています。決議2623の採択により、「平和のための結集決議」は13回目の発動となりました（安保理による発動は8回目）。

採決結果

決議の採決結果は以下の通りです。

賛成：11
反対：ロシア
棄権：中国、インド、アラブ首長国連邦

関連事項

この決議に関連する事項として、以下のものがあります。

国際連合安全保障理事会決議の一覧 (2601-2700) (2021–)
第11回国際連合緊急特別総会
国際連合安全保障理事会決議500

外部リンク

ウィキソース：国際連合安全保障理事会決議2623の原文
S/RES/2623(2022))

まとめ

国際連合安全保障理事会決議2623は、ロシアのウクライナ侵攻という緊急事態に対応するために、国連総会が行動するための重要な一歩となりました。この決議の採択は、安全保障理事会の機能不全時に総会が国際的な平和と安全のために重要な役割を果たせることを示すものです。「平和のための結集決議」が発動され、国連総会が緊急特別会合を開催し、ウクライナ情勢について議論が行われました。この決議は、国際社会が危機に対応する際の多国間協力の重要性を浮き彫りにしています。また、常任理事国の拒否権が行使できない手続き事項であったことも特筆すべき点です。

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