国際連合安全保障理事会決議80

国際連合安全保障理事会決議80

国際連合安全保障理事会による決議80（UNSCR80）は、1950年3月14日に採択され、インド・パキスタン間の停戦状況を巡る重要な内容が含まれています。この決議は、インドとパキスタンが引き起こした紛争の解決を目指し、国際連合のインド・パキスタン委員会の報告と、A・G・L・マクノートンによる提言を基にしています。

決議の背景

決議80には、両国に対する具体的な要求が盛り込まれています。インドとパキスタンは、ジャンムー・カシミールでの停戦を順守し、その地域の非武装化に合意することが求められました。また、艦隊司令官チェスター・ニミッツが将来の国民投票の管理者として選ばれることに対する称賛も表明されています。このように、決議80は両国関係の改善を促すものであり、冷静な対応が求められていました。

非軍事化の要請

決議において特に重要なのは、インドとパキスタンが同時に非軍事化を進め、停戦ラインの両側にいる住民に対する恐怖を取り除くことが要求された点です。また、北部地域は地元の当局が管理し、国連の監視下におかれることが指示されました。この方針は、次第に緊張を緩和し、安定した状況を作り出すことを目的としていました。

国際連合の役割

非武装化プログラムの実施に向けて、国際連合代表が任命されることが決まりました。この代表は、インド・パキスタン両政府や安全保障理事会に助言を行い、委員会の権限と責任を行使することで、より効果的な平和維持を図る意図がありました。さらに、この決議は、パキスタンが先に撤退することを求めていた過去の決議47からの転換を意味しました。

国民投票の議論

決議80は、国民投票を実施するための前提として、両国の軍隊が同時に撤退することを求めるものでした。この点では、アザド・カシミール軍とジャンムー・カシミール州軍を暗に同一視する内容があり、インドの反発を招くことになりました。アザド・カシミールとジャンムー・カシミールを同一視するこの試みは、国連におけるインドの同意を得ることができませんでした。

停戦の確保と合意

決議はさらに、インドとパキスタンに対し、停戦を継続させるための必要な予防措置を講じるよう求めました。両国は、国際連合の代表に対して、委員会の権限と責任が移譲された1カ月後に、インド・パキスタン国際連合委員会を終了させることにも合意しています。

この決議は、賛成8票で可決され、インドとユーゴスラビアは棄権し、ソビエト連邦は欠席しました。このように、決議80はインド・パキスタンの関係において転機をもたらすものとなりました。今後の和平プロセスに向けた重要なステップとして、国際社会の注目を集めています。

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