国際連合安全保障理事会決議915

国際連合安全保障理事会決議915

国際連合安全保障理事会の決議915は、1994年5月4日に全会一致で採択されました。この決議は、当時の国際情勢や各国の関係を考慮し、特にアオゾウ地帯における状況を踏まえています。決議915は、リビアとチャドに関する以前の決議910を確認し、ブトロス・ブトロス＝ガーリ事務総長の勧告に基づいています。

この決議の中核となるのは、アオゾウ地帯の国際司法裁判所による判決を受けた後、そこからリビア軍が撤退する状況を監視するために国連アオゾウ帯監視団（UNASOG）を設立することでした。リビアのスルトで両国が締結した協定には、国連がリビアの撤退を監視する役割を果たすことが規定されています。この動きは両国間の平和的な関係を促進するために重要な意味を持っています。

UNASOGの活動は、決議915に基づいて最大40日間の期間で実施されることが決まっており、9人の国連監視員と6人の支援スタッフによって構成されています。彼らは、協定の履行状況を確認し、両国に対してガーリ事務総長への協力が求められています。この協力の一環として、スタッフの移動の自由が確保されることが重要視されました。

さらに、UNASOGがリビアへ移動する際に使用する航空機に関しては、リビアに対する国際制裁の適用から除外されることが決定されました。特に、1992年の決議748による制裁の影響を受けないよう、国連安保理は進行中のミッションについて特別な配慮を行うことを選択しました。この方針は、国際連合憲章第7章に基づき、UNASOGの活動の円滑化を図ることを目的としています。

決議915は、国連の役割として、両国間の平和的解決を促進するための重要なステップとなるものであり、国際社会が地域の安定に寄与する一環として位置づけられています。国際連合安全保障理事会は、事務総長からの航空機の運行状況の報告を求め、進捗状況を安保理に提供するように求めています。これは、監視団の役割を効果的に実施するために必要な情報を収集し、関連する措置を講じるために重要なプロセスです。

このように、国際連合安全保障理事会決議915は、アオゾウ地帯の安定を図る上で必要不可欠な枠組みを提供し、両国の平和的関係の構築に貢献することを目指しています。

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