国際連合平和活動局

平和活動局 (DPO)について

平和活動局（Department of Peace Operations, DPO）は、国際連合の一部門として、国際連合平和維持活動（PKO）の計画、実施、管理を行っています。この部門は1992年に平和維持活動局（DPKO）として設立され、2019年1月にDPOへと改組されました。DPOは、平和維持活動の実施において重要な役割を果たしており、世界中において平和の維持に向けた活動を推進しています。年に約65億ドルの予算を持つDPOは、国際連合の機関の中で最大の財政規模を誇ります。

歴史的背景

DPOの歴史は、1948年に設立された国連インド・パキスタン軍事監視団（UNMOGIP）と国連休戦監視機構（UNTSO）まで遡ることができます。1980年代後半までは、特別政治問題担当の事務次長らが平和維持活動の運営を担っていました。当初、国連の平和維持活動は、従来型の従属的な活動に基づき、国家間の停戦を目的としていました。平和維持活動は、国連の原則に従い、どちらの側にも立たず、自衛に徹することが求められました。

1992年3月、国連事務総長となったブトロス・ブトロス＝ガーリは、平和維持活動局（DPKO）の創設を決定しました。これは彼にとって就任直後の重要な施策であり、その後の国連における平和維持活動の枠組みを確立することとなりました。

組織構造と機能

DPOは、主に二つの組織に分かれています。それは、作戦部（Office of Operations）および作戦行動支援部（Office of Mission Support, OMS）です。作戦部は平和維持活動に必要な計画や運営を行い、OMSは後方支援、人事、財務の手配を担当しています。OMSは、国連加盟国から提供される部隊や資材に対して財政的な補償を請求する役割も担っています。

DPOの活動は、しばしば国連総会の決議や改革の一環として見直されてきました。特に2007年の決議ではDPOの再構築と現地支援局（DFS）の設置が求められ、これによりPKOの政策立案と戦略が強化されました。

財政と資金調達

平和維持活動の資金の多くは国連の一般予算から調達されますが、安全保障理事会の常任理事国は、より高い分担金を負担することが一般的です。さらに、加盟国は選択したミッションに対して追加の資金や資材を自由に提供することが可能です。

現在の活動

2020年3月時点で、DPOは13の平和維持ミッションを指揮し、約8万1370人の要員がこれに従事しています。DPOのミッションは世界各地に展開されており、アフリカ、中東、アジア、カリブ海、ヨーロッパの国々に広がっています。平和維持活動は、国連の目的である平和と安全の確保につながっています。DPOは、国際社会の安定化と紛争解決に向け、今後も重要な役割を果たし続けるでしょう。

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