国際連合東ティモール暫定行政機構

国際連合東ティモール暫定行政機構 (UNTAET)

国際連合東ティモール暫定行政機構（UNTAET）は、1999年に設立された国際連合の機関で、東ティモールの独立を支援するために活動しました。特に、1999年10月25日に採択された国際連合安全保障理事会決議1272に基づいて構築されたこの機関は、東ティモールの治安維持や人道支援、公共サービスの提供、並びに政府機構の設立支援を主な任務としていました。

東ティモールの歴史的背景

東ティモールは、かつてポルトガルの植民地として存在し、1975年にインドネシアが侵攻してからはその支配下に置かれていました。しかし、植民地支配に対する抵抗として独立運動が活発に展開されました。1999年5月5日、インドネシアとポルトガルは住民投票を通じて東ティモールの自治を拡大することに合意し、これを受けてさまざまな国際的な取り組みが始まりました。

1999年6月には国際連合東ティモール・ミッション（UNAMET）が設立され、同年8月30日に行われた住民投票では、独立を支持する意見が多数を占めました。しかし、投票結果に対する不満からインドネシアの統合派民兵の行動が激化し、地域の情勢が混乱し、UNAMETは一時撤退を余儀なくされました。この状況を受けて、9月15日にオーストラリア軍を中心とする多国籍軍である東ティモール国際軍（INTERFET）が派遣され、治安が回復されました。

UNTAETの設立と運営

住民投票の結果を受けて、国際連合は東ティモールの独立を支援する方針を打ち出し、UNAMETを改編する形でUNTAETを設立しました。UNTAETは、治安の維持を図りつつ、東ティモールの政府機関の設立支援や人道的な活動を行いました。最大兵力は9,150名の軍人と1,640名の文民警官を擁し、非常に大規模な構成でした。また、INTERFETは2000年2月にUNTAETの傘下に統合され、その後も地域の安定を図るための活動を行いました。

UNTAETは、東ティモールの暫定的な統治権を握り、独立派の幹部と協力しながら政府機構の設立に取り組みました。その活動は2002年5月20日に東ティモールが独立を宣言するまで続きました。そして、UNTAETはその任務を終了し、その後の支援は国際連合東ティモール支援団（UNMISET）に引き継がれました。

関連項目

• - 国連管理下の東ティモール
• - 国際連合安全保障理事会決議に基づく東ティモールにおける活動の時系列
• - 国際連合東ティモール・ミッション
• - 東ティモール国際軍
• - 国際連合東ティモール支援団

UNTAETの活動は、東ティモールの独立実現に向けた大きな節目となり、その後の平和的な発展の基盤を築いたと言えるでしょう。

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