国際連合緊急特別総会

国際連合緊急特別総会

国際連合緊急特別総会（Emergency Special Session of the United Nations General Assembly）は、特定の国際問題に関し、迅速に対応するために設けられる特別な会期です。通常の国連総会とは異なり、特定の事情に即応して開催されるため、その設置と運営には独自のルールが設けられています。この総会は、国際平和と安全を維持するという重要な役割を担っており、特に安全保障理事会が全会一致に達しない場合に機能します。

構成と背景

通常、国際連合の平和維持活動は、安全保障理事会により実施されます。ところが、1950年11月3日に国連総会で採択された決議第377号「平和のための結集決議」により、緊急特別総会の権限が付与されました。この決議により、安全保障理事会が決定を下せない場合、国連総会は24時間以内に緊急特別総会を開くことができると定められています。この結果として、国連総会の役割が拡大し、より広範な問題に対処することが可能となりました。

開催の稀少性と歴史

緊急特別総会の開催は極めて稀であり、2023年までの国連の歴史の中でたった11回しか行われていません。最新の開催は2022年のウクライナ情勢に関するもので、2月28日に招集され、3月2日に採決が行われました。ほとんどの緊急特別総会は1回の会期で終了しますが、特に注目されるのは、第7回の総会が4回、第10回の総会が17回にわたり開催されたことです。

手続きについて

緊急特別総会を開催するための手続きは、国際連合総会の手続規則に明記されています。具体的には、次のようなルールがあります。

1. Rule 8(b): 安全保障理事会または加盟国の要求に基づいて、総会の緊急特別セッションを招集することが可能です。これは、理事会の9カ国の賛成または国連加盟国の過半数の賛成によって決定され、24時間以内に行わなければなりません。
2. Rule 9(b): どの国連加盟国も、事務総長に対して緊急特別総会の招集を要請する権利があります。
3. Rule 10: 緊急特別総会の開催通知は、事務総長によって少なくとも12時間前に各加盟国に通達されなければなりません。
4. Rule 16: 緊急特別総会の仮議題は、招集の通知と同時に加盟国に通告される必要があります。
5. Rule 19: 緊急特別総会中に追加的な議題を提案することができ、これには出席しているメンバーの過半数の支持が必要です。
6. Rule 20: 提案される議題には説明文が添付されなければなりません。

まとめ

国際連合緊急特別総会は、急を要する国際問題に迅速に対処するための重要な枠組みであり、国際的な合意形成に寄与しています。安全保障理事会が機能しない場合の代替手段として、加盟国の意見を広く反映させることが可能であり、国際社会における平和の維持に大きな影響を与える機会を提供します。今後も、国際情勢の変化に応じてその役割は重要性を増していくことでしょう。

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