国際連合食糧農業機関

国際連合食糧農業機関（FAO）について

国際連合食糧農業機関（FAO）は、世界中の飢餓を減少させることを主な目的として設立された国際連合の専門機関です。FAOは、人々が質の高い食料を定期的に得られることを保証し、すべての人に食糧安全保障を確保することに注力しています。

設立の歴史と目的

FAOは1945年10月に設立され、その起源は第二次世界大戦中に開かれた連合国食糧農業会議にさかのぼります。設立当初の目的は、健全で活発な生活のために必要な食料を確保することでした。日本は1951年に加盟し、現在では194の国と欧州連合がFAOのメンバーとなっています。

FAOの活動は、先進国と発展途上国の両方で行われています。その役割は、国際的な農業、林業、水産業に関する政策提言を行い、各国が公平に意見を交換できる場を提供することです。特に発展途上国においては、農業の技術向上を支援し、人々が栄養価の高い食材にアクセスできるよう助けています。

組織構成

FAOの最高意思決定機関は「総会」で、通常は2年ごとに開催されます。総会では、政策の承認や予算の決定、事務局長の選出が行われます。理事会は、総会で選出された49カ国から構成され、FAOの運営を実行しています。理事会には、農業委員会や水産委員会など8つの常設委員会があります。

FAO本部はローマにあり、地域事務所は世界各地に設置されています。アジア・太平洋地域事務所はタイのバンコクに、ヨーロッパの事務所はハンガリーのブダペストに位置しています。こうした地域事務所は、その地域特有の課題に対し、迅速かつ効果的な支援を行う役割を持っています。

予算と資金

FAOの予算は、一般予算と任意拠出金で構成されており、2018-2019年度の総予算は25.7億ドルです。その中で、一般予算は約10億ドル、任意拠出金は約15億ドルです。日本は、アメリカに次いで高い分担金を拠出している国の一つです。

近年の活動

近年、FAOは食糧安全保障を大きな課題として掲げています。国際的な調査に基づき、各国に対して農林水産業への勧告を行うなど、世界の食糧問題に対処するための様々な取り組みを行っています。特に、各国が直面する食糧不足や栄養不足の問題は、FAOの重要な関心事となっています。

FAOのモットー「fiat panis」（ラテン語で「人々に食べ物を」）は、この機関の活動の核心を表現しています。FAOの活動を通じて、持続可能な農業と食料システムの実現を目指し、世界が抱える食糧問題の解決に貢献していくことが求められています。

FAOは、食糧問題に関する国際協力の中心的な役割を担い、持続可能な未来を築くための重要な取り組みを続けています。

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