國學院大學短期大学部

國學院大學短期大学部とは、財団法人國學院大學が、日本の高等教育機関としての私立短期大学の設置を計画した際の名称です。この計画は、1950年4月1日の開学を目指して具体的に進められました。

計画の概要

この短期大学部の設置が構想されたのは、東京都新宿区下落合4丁目でした。財団法人國學院大學が設置主体となり、新たな高等教育機関としての役割を果たすことが期待されていました。

設置認可申請と結果

短期大学制度が整備されつつあった時期、財団法人國學院大學は、翌年春の開学を見据え、1949年10月には文部省（現在の文部科学省）に対し、設置認可の申請手続きを行いました。これは、計画を実現するための重要な一歩でした。

しかしながら、この申請は残念ながら認可を得るには至りませんでした。文部省による審査の結果、設置の要件を満たさない、あるいは当時の状況において設置が適切ではないと判断されたものと考えられます（不認可の具体的な理由は公表された資料からは確認できません）。このため、財団法人國學院大學は、やむなく申請を取り下げる判断を下しました。結果として、國學院大學短期大学部が実際に開学し、学生を受け入れることは叶いませんでした。

計画された学科

設置が計画されていた國學院大學短期大学部には、以下の二つの学科が構想されていました。

宗教学科：入学定員50名
文学科：入学定員200名

これらの学科構成から、國學院大學が培ってきた宗教学や日本文学研究などの学問分野を、短期大学という形式でも展開しようとしていた意図がうかがえます。特に文学科は定員が200名と計画されており、より多くの学生に門戸を開こうとする姿勢が見られます。

歴史的意義

國學院大學短期大学部の計画は実現しませんでしたが、これは戦後日本の高等教育再編期における、國學院大學の教育構想の一端を示すものとして歴史に刻まれています。大学本体とは異なる教育課程や目的を持つ短期大学という形式を模索したことは、当時の教育ニーズに応えようとする動きと捉えることができます。

國學院大學は、この計画の実現こそ見ませんでしたが、その後、時代を経て他の地域に短期大学を設置しています。具体的には、國學院大學栃木短期大学（栃木県）や、かつて存在した國學院大學北海道短期大学部（北海道）などです。これらの短期大学が、今回の計画と直接的な連続性を持つものかどうかは不明ですが、國學院大學が短期高等教育機関の設置に意欲を持っていた歴史を示すものとして、関連事項として挙げられます。

最終的に開学に至らなかった國學院大學短期大学部ですが、その計画自体が、國學院大學の教育理念や、時代の要請に応えようとした取り組みの一環として記憶されるべき事実です。

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