園田喜則

園田喜則（そのだ よしのり）氏は、1948年7月29日に三重県伊勢市で生まれ、後に大阪府出身として知られるプロ野球選手、そしてコーチとして活動した人物です。現役時代のポジションは内野手、主に遊撃手としてプレーし、右投げ右打ちでした。

高校は北陽高校に進学し、硬式野球部で腕を磨きました。最終学年となった1966年には、チームの遊撃手としてだけでなく、控え投手も務めました。夏の全国高等学校野球選手権大会に繋がる大阪府予選では、決勝まで駒を進め、エース奥田敏輝擁する桜塚高校と対戦。この試合では、園田氏が2回からリリーフ投手としてマウンドに上がり、好投を披露。その活躍もあり、チームは4対0で勝利を収め、甲子園本大会への出場権を獲得しました。甲子園では1回戦で福島商業高校に勝利したものの、2回戦で群馬県の桐生高校に敗退しました。桐生高校戦では、初回裏に大量9点を奪われる劣勢となり、相手投手陣、特に前野和博らの前に打線が封じ込まれました。園田氏は甲子園での2試合ともリリーフとして登板しています。当時の北陽高校には、2学年下に、後にプロ入りし阪神タイガースなどで活躍する外野手の長崎慶一氏がチームメイトとして在籍していました。

高校卒業後、1966年に行われた第1次ドラフト会議において、園田氏は東京オリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズの前身球団の一つで、1969年よりロッテ・オリオンズに改称）から1位という高い評価を受けて指名され、入団しました。大きな期待を背負ってのプロ入りでした。

プロ野球選手としてのキャリアは、1967年から始まりました。1年目から一軍の試合に出場し、遊撃手として4試合に先発するなど、即戦力としての片鱗を見せます。また、同年には二軍の有望株が集まるジュニアオールスターゲームにも選出されるなど、将来の中心選手候補として嘱望されていました。しかし、その後の道のりは順風満帆とはいきませんでした。特に、右目に打球が当たるという不慮の事故に見舞われ、視力が低下したことが選手生活に大きく影響しました。この視力障害もあり、期待されたようなレギュラーとしての定着や、さらなる飛躍を遂げることが難しくなってしまいました。結局、プロ入りからわずか5年目にあたる1971年シーズンをもって、現役を引退することを決断しました。

現役時代の背番号は、入団時の42番（1967年～1968年）から、6番（1969年）、44番（1970年～1971年）と変更されています。

現役引退後も、園田氏は球団に残り、野球に携わりました。1972年からは背番号を62番に変更し、翌1973年には90番をつけて、二軍のコーチとして若手選手の指導にあたると同時に、チームのマネージャー業務も兼任し、裏方として球団を支えました。

球界を離れた後の詳しい動向についてはあまり知られていませんが、2006年9月6日、病のため58歳という若さでこの世を去られました。甲子園での活躍、ドラフト1位という高い評価、そして不運な怪我による早期引退、さらに引退後の指導者としての活動など、園田喜則氏の野球人生は、短いながらも様々な出来事を経験したものでした。

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