園田賢

園田賢：運と実力、そしてトークの魔術師

園田賢（そのだ けん）は、1980年生まれの最高位戦日本プロ麻雀協会所属のプロ雀士であり、Mリーグ・赤坂ドリブンズのメンバーとして知られています。

彼の経歴は、一般的なプロ雀士のイメージを覆す意外性にあふれています。兵庫県神戸市出身で、灘中学校・高等学校時代は卓球部に所属し、ミュージシャンを志していた時期もあったといいます。東京大学進学を目指して浪人生活を送る中で麻雀にのめり込み、雀荘でのアルバイトを経験。その後、慶應義塾大学環境情報学部に進学しますが、麻雀への情熱は冷めることなく、留年を経て卒業しています。

大学卒業後、高校時代の同級生であるプロ雀士、サイコロ太郎と共に麻雀店のオープニングスタッフとして勤務。就職活動の際に、学生時代の経験を生かそうと最高位戦日本プロ麻雀協会のプロテストを受験し、2003年にプロ雀士となりました。その後は、会社員生活とプロ雀士活動を両立させながら、着実に実力をつけ、最高位決定戦準優勝や麻雀駅伝優勝などの実績を残します。

2018年、Mリーグが開幕。赤坂ドリブンズからドラフト1位指名を受け、競技麻雀における個人タイトルこそないものの、Mリーガーとして大きな注目を集めます。チームはレギュラーシーズン4位からファイナルシリーズで躍進し、初代王者に輝きました。園田自身も、2018年の最高位決定戦で期首順位2位と好成績を残しています。

2019年には、麻雀に専念するため会社を退職。プロ雀士として、さらなる高みを目指します。

園田の雀風は、雑誌『近代麻雀』で「冷静さとスピードにおいて満点」と評されるほど、状況に応じて柔軟な手を選択する、独特のスタイルです。リーチやブラフを巧みに使い分け、有利な状況を作り出すことに長けています。自ら「河の作り方」を重視しており、その高い技術力は、「引き出しの多さ」と評されています。鳴きの技術も高く、「卓上の魔術師」や「麻雀賢者」といった異名を持つほどです。

一方で、「運のなさ」も彼の大きな特徴の一つ。自身もMリーグ参戦5年間で「裏3」が一度もないことを明かしており、2023年には、その「運のなさ」をテーマにしたドキュメンタリー番組が制作されるほどです。本人は「運は人ではなく過去の事象に対して使うもの」という独自の哲学を持っています。

園田は、A型で、趣味はカラオケと飲酒。驚くべき特技はExcelを用いたシステム構築で、最高位戦の配信におけるテロップ出しシステムをExcelとPowerPointだけで構築したといいます。尊敬する人物はイチロー、好きな有名人は高田純次です。

さらに、園田はトークの上手さでも知られています。Mリーグの試合後インタビューでは、勝敗に関わらず、ユーモラスで機知に富んだトークでファンを魅了し、「独演会」と呼ばれるほど。自身のトークについて、「麻雀をよく知らない方にも分かりやすく伝えたい」と語っています。しかし、そのトークの長さは有名で、インタビュアーに打ち切られたり、観客から「巻き」を求められることもしばしばあります。

Mリーグでの活躍はもちろん、その独特の雀風、軽妙なトーク、そして「運のなさ」まで含めた人間的な魅力が、園田賢というプロ雀士を多くのファンに愛される存在にしていると言えるでしょう。彼の今後の活躍にも期待が集まります。

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