圓城寺次郎

圓城寺 次郎の生涯

圓城寺次郎（えんじょうじ じろう、1907年4月3日 - 1994年3月14日）は、日本の著名なジャーナリストであり実業家であり、特に日本経済新聞社の社長として知られています。彼の生い立ち、キャリア、影響力について詳しく見ていきましょう。

人物および来歴

千葉県の農家に次男として生まれた圓城寺家は、近郷で名の知れた旧家でありました。彼は高校時代に病気に苦しみ、一時は大学進学をあきらめざるを得ない状況にありました。しかし、1927年になり健康が改善してきたこともあり、早稲田大学に進学。その後、彼は自由な学生生活を送り、様々な趣味に興じました。

若き日の圓城寺は、1933年に日本経済新聞社の前身である中外商業新報社に入社しました。この時期の新聞業界は厳しい競争にさらされており、彼が入社した当初はまだ業界紙の地位でした。しかし、その後の努力により、1945年には編集局長に昇進しました。

編集局長としての業績

編集局長としての圓城寺は、日本経済新聞を経済紙としての地位を確立させるべく奮闘しました。彼は、新聞の内容を即時の経済ニュースだけでなく、一般読者に向けた高度な解説や新しいコーナーを加えることで、質の向上に努めました。この時期、科学や美術に関する欄を新設し、多様な情報を提供しました。また、経済研究室の設立構想を指示し、後にこのアイデアは実現を見ました。

山一危機対応と社長時代

1964年、彼は「山一危機」と呼ばれる重大な経済事件に直面します。山一証券の経営不安がささやかれ、それが実際の問題に発展することを防ぐべく、報道協定を通じた情報統制を行いました。このような危機において、彼は敏速な判断力を発揮し、新聞社の大改革を実現しました。

円城寺の社長時代（1968年 - 1976年）には、新聞社のビジネスモデルを変革する試みが行われ、新しい情報産業への移行が進められました。彼はデータを活用したビジネスモデルを提唱し、新聞制作の自動化や新しい印刷システムの導入を進めました。また、東京12チャンネルの経営参加にも関与し、メディアの多角化を図りました。

公職での活躍

圓城寺は公職においても活躍し、50を超える審議会や調査会に名を連ね、経済や産業政策に深く関与しました。さまざまな会議では会長を務め、政策立案の重要な役割を果たしました。その結果、彼は「審議会男」とも呼ばれました。

美術への情熱

また、圓城寺は美術に対する深い造詣を持ち、1968年には芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。彼のサポートを受けた安宅英一が推進する東洋陶磁コレクションの展覧会が何度も開催され、その関わりも評価されました。彼は常に公私において清廉な行動を心がけ、支援を申し出られても自らの利益を求めることはありませんでした。

最後の年と後継への影響

圓城寺は1994年に86歳で逝去しますが、その活動が日本の新聞界、さらには情報産業へ与えた影響は大きく、彼の名前を冠した賞も設けられています。彼の功績は、メディアと経済の発展に長く影響を与え続けることとなるでしょう。彼の生涯は、多くの人にインスピレーションを与えるものです。

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