圓徳流

圓徳流（えんとくりゅう）について

圓徳流は、日本の奈良県で発展した柔術の流派で、特に柔道や武道に関心がある人々にとって興味深い存在です。この流派の具体的な成り立ちや初期の歴史は、多くの謎に包まれていますが、明治時代には節儀館という道場で学ばれていたことが記録に残っています。

歴史と著名な人物

圓徳流の流祖や流派の詳細に関する情報は不明ですが、特筆すべきは中島鹿平によって編纂された『大和国名流誌』にその名が記載されていることです。この資料には、圓徳流の師範である川井九一郎と平井常蔵の名前が見受けられます。川井九一郎は奈良市中筋町で接骨院を運営しながら、柔術の指導にも力を入れていたようです。このような背景を持つ川井の活動は、圓徳流の柔術が地域に根ざしていたことを示しています。

型の体系

圓徳流には、38の異なる型が存在します。これらの型は、大阪に伝わる柳生心眼流體術と密接に関連しており、いくつかの型名が共通していることが特徴です。特に、居取や立合における技術は多くの類似点を持っており、技の交換が行われることもありました。このように、圓徳流と他の流派との関係性は、武道における学びや技術の発展において非常に重要です。

圓徳流の目録巻

圓徳流の型は、各種の技が組み合わさった洗練された体系を持っています。型の一部を以下に示します。

• - 両手取
• - 枝折
• - 両切
• - 顧背
• - 銲碎
• - 冠反
• - 龍尾
• - 肩切表裏
• - 加舒表裏
• - 両切表裏
• - 袖付表裏
• - 打込表裏
• - 襟取表裏
• - 大搦表裏
• - 折取表裏
• - 加舒逆
• - 加舒気管締
• - 両切締
• - 引込投
• - 引込投當
• - 打込締
• - 矢筈表裏
• - 大搦投
• - 五輪碎
• - 冠反口傳
• - 銲碎口傳
• - 逆指口傳
• - 尺縄口傳
• - 誘口傳

このような型は、圓徳流が技術の伝承を大切にしている証拠でもあります。型を通じて、歴史や伝統を学ぶことができるだけでなく、身体能力や柔軟性、戦術的思考を養うことも可能です。

参考資料

圓徳流の詳細な情報は、以下の文献を参照することでさらに深く知ることができるでしょう。

• - 中島鹿平 編『大和国名流誌』中島鹿平、1884年
• - 綿谷雪・山田忠史 編 『増補大改訂 武芸流派大事典』 東京コピイ出版部 1978年

また、関連する流派として、大阪の柳生心眼流體術との関係が挙げられます。これは、圓徳流の技術を理解する上で非常に重要な要素です。

圓徳流は、日本の武道の歴史の一端を担っており、その技を通じて学ぶことで、戦いだけでなく精神性の成長をも促進する流派と言えるでしょう。

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