土佐黒潮牧場

土佐黒潮牧場：功労馬たちの安らぎの場所

高知県須崎市浦の内出見に位置する土佐黒潮牧場は、競走馬の引退後の生活を支える、家族経営の牧場です。1995年12月に競馬ファンの個人によって設立され、以来、多くの功労馬たちが穏やかな余生を送る場として、その役割を果たしています。現役競走馬の休養も受け入れており、馬への深い愛情と細やかな配慮が感じられる場所となっています。

繋養馬：それぞれの物語を胸に

牧場で繋養されている馬は大きく分けて2種類。一つは牧場が所有し、一般からの月会費による支援を受けている馬たちです。もう一つは、馬主から預託されている馬たちです。 繋養馬には、元高知県競馬組合所属馬や、引退名馬繋養展示事業の助成対象馬が多く含まれています。

繋養馬の中には、数々の輝かしい戦績を残した名馬たちもいます。例えば、2009年の霧島賞を制したカシノヨウスケや、2009年のステイヤーズステークスで2着、2007年の朝日チャレンジカップで3着という好成績を残したゴールデンメインなどがいます。中央競馬で活躍したシゲルダンプウ（中央47戦4勝）なども、この牧場で余生を過ごしています。その他にも、チャンストウライ、トゥインクル、フィールドルージュ、ヘッドライナー、マチカネニホンバレ、マーニ、マンハッタンスカイなど、それぞれの個性と物語を秘めた馬たちが穏やかに暮らしています。

過去の繋養馬：記憶を繋ぐ、かけがえのない存在たち

過去には、多くの競走馬たちが土佐黒潮牧場で静かに最期の時を迎えました。 2022年7月1日に19歳で亡くなったアドマイヤスバル、1995年中日スポーツ賞4歳ステークスを制したイブキラジョウモン（2017年9月19日死亡、25歳没）、1995年日経賞勝ち馬のインターライナー（2005年8月22日死亡、14歳没）など、それぞれの競走生活で輝きを放った馬たちが、この牧場で安らかに眠っています。 他にも、エイシンガイモン（2023年1月18日死亡、30歳没）、オースミレパード、タケノベルベット、チタニックオー、ナムラコクオー、ブルーシーズ、ミナミプレジャー、ヤングブッシュ、ラガーチャンピオン、リバーセキトバ、レガシークレスト、レジェンドハンター、レットイットビーなど、多くの馬たちが土佐黒潮牧場で大切に過ごしました。これらの馬たちは、牧場の歴史、そして日本の競馬史における貴重な存在です。

未来への繋ぎ：感謝と敬意を込めて

土佐黒潮牧場は、単なる繋養施設ではありません。そこでは、引退した競走馬への感謝と敬意が、馬と人との温かい絆を通して感じられます。家族経営ならではのきめ細やかなケアと、一般からの温かい支援によって支えられ、馬たちは穏やかな日々を送っています。 この牧場は、競走馬の引退後の生活を考える上で、非常に重要な役割を果たしており、日本の競馬界にとってかけがえのない存在です。 その活動は、多くの競馬ファンに感動と希望を与え続けています。

関連書籍

菊池俊著『黒潮牧場の馬です。』(新日本出版社、2006年)は、土佐黒潮牧場の日常と馬たちとの触れ合いを描いた貴重な記録です。

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